トロンボーンの口調?(440字の小説)
いつも思っているのだが、人間には特徴がある。
癖がある。特に話する時に個性を感じる。
余り話す事をしない人は、
シンバルみたい。
時々「ジャン」と鳴る。
ドラムみたいに、激しく喋る人も居る。
彼女のように高い声で
「きゃっきゃ、きゃっきゃ」言う人もいる。
まるでピッコロだ。
そうかと思うと、リズミカルに軽快に話す人。
木琴か!
哀愁を含んで話すのは、トランペットかな。
優雅に話す人はフルートだ。
息がながーくゆっくり話す人は、オボーエか!
僕の好きな楽器は、トロンボーン。
長さで音階を作り出す。
トロンボーンの話し方ってどんなのかな?
長い話と短い話を使い分けるのかな?
色んな人の色んな話し方。
一つに纏めて楽団が出来るかな。
そんな空想をしていたら、上司に怒られた。
「何ボーっとしてるんだ。車が渋滞しているぞ。
しっかりしろ。」
僕は交通整理のお巡りさん。
僕がトロンとしていたら、車が渋滞する。
間違うと事故に繋がる。
僕の仕事は簡単な仕事だが、責任のある仕事。
ボーンヘッドは許されない。
しっかり気合いを入れていこう。