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白い靴を履いていた人(一分で読める小説)


白い靴が目立つ、あのお爺ちゃん
毎日この道を散歩している、あのお爺ちゃん。
私の家の前で、腰を下ろし休んでいた、あのお爺ちゃん。
「今日も姿が見えないな〜。
どうしたのだろう?
名前も知らないお爺ちゃんだけど、
会えないと、何だか寂しいなぁ。」


今日、何故かゆっくり走って行く
白い色の霊柩車
私の家の前を名残り惜しそうに通って行く。

霊柩車の中に目を向けると、
抱かているあのお爺ちゃんの遺影。

お爺ちゃん、白い色が好きだったんだね。
もう、会うことも出来ないだね。
あのお爺ちゃんと。

#シロクマ文芸部

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