AI(1)
この話は西暦2050年頃のお話です。
私の名前は、吉田結衣。
現在、25歳。独身。彼氏なし。子供無し。バツも無し。
私の今の悩みは、仕事が無い事。
大学は出たけれど、就職口が見当たらない。
私だけでは無いのですが、殆どの人の就職先が決まらないのです。
何の為に、小学校から大学まで一生懸命に勉強してきたのか?
解りません。
巷では、人工知能を持つロボット達が大手を振り働いています。
この前、ファミレスに昼食を食べに行ったら、
ウエートレスはロボット。
調理師もロボット。
おまけに会計もロボット。
管理する人間は一人だけ。
いつもの光景だけど、就職先が決まらない私には、
「ロボットの代わりに私を雇って」と、言いたくなります。
スーパーマーケットも従業員はロボット。
会計はセルフでして、不正が出来ない様にロボットが監視している。
お客様は監視された空間で買い物をし、会話も無く、
用を足すとすごすごと帰る。
普通に見慣れていた光景が、最近不自然に想えてきました。
私は弁護士を目指して大学に入学し、勉強に勉強を重ね、
やっとのことでその弁護士資格を得たのに、雇ってくれる弁護士事務所が無いのです。
最近は、人間の弁護士よりも人工知能を持つロボット弁護士が活躍しているのです。
ロボット弁護士は、六法全書が全て内蔵されており、全ての判例が
自動更新される。
また裁判官も人工知能のロボットにすると言う事が検討されていると噂になっています。
ロボットが人間を捌く時代がもう直ぐ来そうで、
私は不安でたまりません。
私は父親の脛をかじり、少しのアルバイトで生活しているのですが
将来の不安は募るばかりです。
今日も、女友達三人と女子会の予定。
彼女達も就職口が無く、彼氏も無く、当然夫も居ない
孤独な女性達なのです。
例年続いている少子化で、男女が結婚するのも困難になってきています。
結婚しても、生活の苦労は並たいていなものではありません。
働く企業も少なくなり、年齢が高くなるとリストラされます。
医療が進んでいる為に老人の人口は増えてきました。
街には老人が溢れ、子供を見かける事が少なくなってきました。
自分が子供だった頃は、子供が少ないと感じてはいたのですが余り気にせずにいましたが、最近はつくづく思います。
本当に住みにくい世の中です。
こんな世の中に誰がしたんでしょか?
https://note.com/yagami12345/n/n0505f32c12ac