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日本統治時代の台湾に持ち込まれた日本画の技法、100年の変遷をたどる展示@台北市立美術館

台北市立美術館で明日10/12からスタートする「喧囂的孤獨:臺灣膠彩百年尋道」のプレスプレビューへ。何層にも重みのある展示でした。

まず、展示タイトルにある「膠彩画(こうさいが)」。あまり聞き慣れない言葉ですが、日本では「日本画」と括られることが多いのを、台湾では「膠彩画」と分類されるようになったのは、歴史的な背景があるそうです。

「かつて日本の一部だった台湾では」と、解説員の方は紹介されます。

日本統治時代の台湾に持ち込まれた日本画の技法は、その後日本の敗戦・引き上げ、中華民国の始まりによってアイデンティティを模索せざるを得ない状況へと追いやられます。

日本統治時代が終わった今、日本画は果たして「国画」と言えるのか否かーー。そうした論争が起こるなかで生み出されたのが、12歳で武蔵美の前身である日本帝国美術学校へ留学したこともある台湾人画家の林之助が提唱した「膠彩画」という概念でした。

今回の展示は、日本統治時代から現代の若手による作品まで、さまざまな「膠彩画」の変遷をたどるべく、51人の膠彩画家による146作品が展示されています。

見どころは多々ありますが、台湾で初めて日本に留学し絵画を学んだ(女子美術大学の前身、女子美術学校)女性画家とされる陳進の作品、そして台湾茶やお菓子のパッケージなどにもよく採用されている郭雪湖の『南街殷賑』の原画などは、ぜひこの機会に見ておきたい作品です。

↓ リール動画にまとめました

喧囂的孤獨:臺灣膠彩百年尋道
TOO LOUD A SOLITUDE

会期|2024年10月12日(土)-2025年2月2日(日)、月曜休館
場所|台北市立美術館  2階 2A、2B展覧室(Googleマップ
展示の詳細:
https://reurl.cc/zDOLdV

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