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「ルカによる福音書」第2章36〜40節「祈りによって神に仕える」

1月5日の尾久キリスト教会における広瀬邦彦先生による説教テーマ「ルカによる福音書」第2章36〜40節「祈りによって神に仕える」。尚、この日は礼拝後に「白玉汁粉会」。


 新年おめでとうございます。年が明けて初めての日曜礼拝です。日本は長寿の国です。女性の平均年齢は87.14歳で世界第1位。男性の平均年齢は81.09歳で世界第5位。老人福祉法ができた1963年には100歳以上の人は全国に153人でしたが、2024年には95,119人と60年で622倍にもなった。まさに人生100年時代となった。昔の人は今より寿命が短かったが、例外もある。シメオンも老人だったが、アンナも84歳だったとある。しかし一説によれば、アンナは寡婦暮らしになってから84年生きたという説もある。当時は幼くして結婚したので、14歳で結婚して、7年間の夫婦生活だとすると21歳。そこから84年だとすると105歳の長寿になる。当時の寡婦は不利で弱い立場だった。しかしアンナは神殿で、断食と祈りの生活を続けた。これは神に呼ばれたのであろう。
 私の母は私を信仰に導いた人であった。闘病生活の最中にも、本来なら私が祈るべきところを、自ら息子に祈りの課題を求めた。それは牧師生活を始めたばかりの私を心配し、まだ独身だった息子に家族が恵まれることを願ったのであろう。アンナは弱者であったが、祈りという最高の奉仕を続けた。エルサレムの人々の平安を願った。代表的なクリスチャン作家に三浦綾子先生がいる。小説だけでなく、信仰入門書も数多く残された。その中で「新約聖書入門」では「『主の祈り』では『私たち』『われら』という複数の一人称が使われる。これは自分のためだけではなく、全ての人への祈りである。このことをありがたく思う。自分が赤ちゃんの時も、クリスチャンに対して毒づいていた時も、世界のどこかで祈ってくれていた。他者のために祈るということが、キリスト教の特徴である」。私たちも荒川区のため、家族のため、職場のため、そして世界のために祈ることができる。アンナは預言者でもあった。第38節のように、シメオンと共に幼な子イエスが神の降臨であることを人々に指し示した。アンナのような人を「役に立たない」と評した人もいただろう。しかしきっと人々はアンナに助言を求めたに違いない。彼女は人々のために、とりなしの祈りを神に捧げた。十字架による罪の赦し、死からの復活による永遠の生命。アンナは祈りによって神に仕えた。

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