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ヨシタケシンスケ「あるかしら書店』は本への最高の応援歌
ヨシタケシンスケの読書その第3弾。『あるかしら書店』(ポプラ社)。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4591154440/
リアル書店の閉店や読書時間の減少など「本」というメディアの衰退を憂うマスコミ記事は多い。そして何とかリアル書店の現状を打開したいという声が引きも切らない。自分としては『社会から必要とされなくなった機能なら無くなっても止むを得ないだろう』と思う。それでも馴染んだ書店が無くなってゆくことは寂しい。
そんな中で、この本は書店への最高の応援歌である。売る人(書店)の思いを大切に扱い、そして本を書く人(著者)、作る人(出版社)の期待も表現してくれている。ありとあらゆる本の形態を夢想妄想して、そのどれもが楽しくて仕方がないアイデア。月明かりの下でしか読めない「月光本」、読書に付き合ってくれる「読書サポートロボ」、ふたつの本を合わせて初めて読むことができる「2人で読む本」などなど。店主のおじさんに「○○についての本ってあります?」って訊くと「あります」と言って、必ず店の奥から出してくれる。最後のオチは大爆笑。電車の中で読んでいて思わず「ウフフフフ」と笑ってしまう。前の座席に座っている女性が『なにこの人?』って目で見上げてくる。この本はそんな絵本なのである。
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