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アトリビュートとゴシップで楽しむギリシャ神話の絵画 vol.2ポセイドン 篇

登場人物には、ア トリビュート(象徴物)があります。
知っておくと、何の神話を描いているのかがわかって絵画鑑賞がより楽しいものになりますよ ☺️そして、知っていると何倍も楽しめる神話のゴシップ。
両方で絵画を一緒に楽しみましょう!

今回は、ポセイドン 。ゼウスのお兄さんです。

ポセイドン(ネプトゥヌス/ネプチューン)

短気で怒りっぽい、がどこか憎めない、海と水の海神
持ち物:三叉槍
象徴:馬、イルカ、武器、馬、牡牛
武器:三叉槍

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1634年「ポセイドーンとアムピトリーテーの勝利」(ニコラ・プッサン)

髭を生やした中年男性で、三叉の槍を持っていたら、間違いなくポセイドンです!
ポセイドンが乗る馬は彼の戦車。妻のアムピトリテが乗るのはポセイドンの牡牛。 はじめ、アムピトリテは、ポセイドンの数々の贈り物での求婚になかなか応じなかったようですが、踊る魚!イルカを送ったところ見事結ばれることに。
恋を実らせた功業で、イルカはイルカ座になったという素敵なお話も。
ちなみに贈り物は、ポセイドンが作ったようですがイルカができるまでは、タコやイカ(失敗作?)なども作ったようで、だから海にはいろんな生物がいるとも言われています。この絵は、みんな祝福していますね。なぜなら、キューピッドの金の矢。金であれば、祝福のカップルだということですね。ちなみに、銀の矢であれば逆の意味になるようです。

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パリス・ボルドーネ作 

ポセイドンとアムピトリーテ

この絵の左下は、求婚でお世話になったイルカ。ちょっと獅子みたいですが。
アムピトリーテの象徴でもあります。
彼女は三叉槍を触りながら何かお願いしているように見えますね。ポセイドンは、真剣に彼女の話を聞いているようにも見えます。ポセイドンはゼウスと違い、彼女一筋と言いたいところですが、やはりポセイドンも浮気してしまいます!

浮気相手が、なんと、有名なメデゥーサ!

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1617-1618年頃 「メデゥーサの頭部」(ピーテル・パウル・ルーベンス)

最初メデゥーサは、長い黒髪の美しい女性でした。彼女に恋したポセイドン。
恋を成就し、愛し合った場所が悪かった!
そこは、よりにもよって正義、純潔の女神アテナが守るアテネ神殿だったのです!
「何やってんの!あんたたち!」
正義感の強いアテネは、浮気が許せなかったのでしょう。ポセイドンは大神なので、メデゥーサの方を狙います。髪を蛇に、見たものは石になるという呪いをかけました。アテネやる時は徹底してますね、すごい、、、!
ちなみにアテナとポセイドンは、他にも仲が悪い対戦相手として描かれることが多いです。

そんなポセイドンと、メデゥーサ。悲劇だけかと思いきや、

二人の子供がペガサスです!

有名キャラがこんなにも関係していると思うと、ちょっと感動しますね。

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ペガサスが生まれたのは「英雄ペルセウス」のお話にあります。
ゼウスと人間(ダナエ)の子供、英雄ペルセウスが化け物退治を命じられ、
メドゥーサをやっつけにいきます。
そのフォローをしたのが、なんとアテナ!(ヘルメスもいました)
アテナは、自分が呪いをかけたので、もちろんメデゥーサと目が合うと石になることは知っていました。そのため、ペルセウスに盾を貸し、
「メデゥーサの目を見ずに盾に映しながら戦いなさい」と言います。
彼は盾を見ながら見事勝利!すると、メデゥーサの首からすでに身篭っていたペガサスが生まれたということです。

アネナの盾には、メドゥーサが!

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メデゥーサをペルセウスと倒したアテナですが、他の絵にも、アテナの盾には、
メデゥーサがアトリビュートとして描かれています。 
上の絵は以前紹介した「パリスの審判」。盾にほら!メデゥーサです!
これで裸の女神でも、アテナだということがわかります。
こんな風に、お話がアトリビュートになることもあるんですね。

いかがでしたでしょうか。今日は有名キャラがたくさん出てきました。
ポセイドンとの浮気相手が、まさかのメデゥーサ!そしてその子供がペガサス!

神話絵画は、ギリシャ神話を知れば知るほど、幾重にも楽しめますね☺️

次回は、今回ちょっとご紹介したアテナに迫っていきたいと思います!
彼女もネタが満載です!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました🥰

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