藪から犬

雑文を書いています。

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最近の記事

ポケモンが食料問題とたたかう日

数年前からグルメ系の漫画やアニメが乱立している。 別に食への意識が高まったわけではないと思う。僕は相変わらずサッポロ一番ばかり食べている。 それらが人気なのは、食事や食物への興味そのものというより、食事を通した彼らの生活が描かている点にあると思う。僕たち日本人は確かにオタク化したのであって、そして、オタクは設定にひたすら凝るからだ。 ファンタジーの世界においては食事がその設定を多く担うことが顕著だ。魔物がいるならそれは現実世界で言うところの動物の一種であるはずであり、そう

    • 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』:猗窩座とかいう匿名ツイッタラー

      『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』をようやく観た。 鬼滅に関してはアニメで上記物語までしか見ていないのだけれど、映画の最終盤、朝日から逃走する猗窩座に炭次郎が罵倒するシーンがめちゃくちゃ面白かったので、ここについてだけ書きます。 鬼滅における「鬼」とは何か?という考察は、既にいろんな人がしていて、いろんな解釈があるけれども、それを考えるときの大きな要素になるのが、猗窩座VS煉獄杏寿郎 の戦闘だと思う。 ここでは両者の間で、 「生命(ないし身体)の有限と無限ではどちらが素晴ら

      • 朝の攻略本

        朝が弱くて仕方がない。 仮に「朝」という属性があれば、それの付属した武器で眠り状態の僕を数回殴るだけで殺せるぐらいに、僕は朝に弱い。 起きるとき、「今日も仕事に行かなくてはいけない」と思うと気分がどんよりしてしまう。微睡んだまま、四つん這いに似たような往生際の悪い体勢になると、節々の重さが前世の罪のように襲いかかり、様々な思念が駆け巡っていく。 なぜ朝はこんなに辛いのか? なぜ昨日は夜更かししてしまったのか?世界に正義はもうないのか? こんなに毎日辛いのは変だと思った

        • 血の轍:1巻について(感想以上考察未満)

          押見修造さんの「血の轍」をはじめて読んで大ダメージを受けています。 かなり破壊力高いです。 1巻までの内容を私なりに整理しておかなければいけない気がしたので、メモを兼ねながら、ひとまず感想を殴り書いておきます。 (★:以下単行本1巻内のネタバレを含むのでご注意ください) まずその絵のきめ細やかさ、そして、スクリーントーンがまったく(最初らへんの静一の部屋の扉ぐらいしか)ないことが痛快です。 トーンとは記号です。「こういう風に貼れば、まあ、影だよね」という按配に、記号としての

        ポケモンが食料問題とたたかう日

          3月のライオン:生活を描くということについて

          「3月のライオン」という漫画にようやくハマっている。 「ハチクロ」を読んだことがない僕は羽海野チカさんの天才ぶりに仰天しているが、その中でも、今回は「生活」をテーマにすこし書いておきたくなった。 (★:以下、2022年4月3日時点での単行本最新刊・16巻までのネタバレを含むのでご注意ください) 「3月のライオン」には魅力的なキャラクターが溢れているが、特に本作の本質を浮き上がらせたと私が思うキャラは、単行本10巻で初登場する甘麻井戸誠二郎という男である。 誠二郎は、主人

          3月のライオン:生活を描くということについて

          ドラゴンはなぜダサいのか?

          ドラゴン(龍)はかっこいい。有無を言わさずかっこいい。 爪牙するどく、空を自在に舞い、ときには超能力を操ってみせるドラゴンは、数多の創作物において、その昔から現在に至るまでファンタジックな生物のハイブランドを保ったままだ。 しかしながら、これがことファッションに至ると急に「ダサイ」のレッテルを貼られてしまうことがある。 家庭科の授業で扱う生地として選ばれるプリントのドラゴンや、あらゆるお土産屋で売られているキーホルダーのドラゴン(剣に巻き付いているヤツ)、そしてシンプルに

          ドラゴンはなぜダサいのか?