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【心理学】交流分析 3つの自我状態
はじめに
交流分析では、4つの基本分析を行っていきます。そのうちの一つが自我分析(自我状態の機能分析)です。
4つの基本的分析についてはこちらをご参照ください。
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Pは親、Aは大人、Cは子供
交流分析では、自我状態を大きく3つに分けています¹⁾。親(Parent)、大人(Adult)、子供(Child)これらの頭文字をとってP、A、Cの3つの領域に分けていると考えます(図1)。
自我状態
エリックバーンは自我状態を「首尾一貫した行動パターンに直接関係する、感情と経験の一貫したパターン」として定義した²⁾。
ポールフェダーンは自我状態という考えを発案し、自我状態を人がある時点で、自分自身と外界について体験する内容全体と見なした。
親の自我状態
「親」の自我状態は、私たちが子供のころ親をはじめとする周りの大人の考え・感じ方・ふるまいをそのまま取り入れてしまっている状態です。
「いいつけには従うべきよ」または「あなたが困っているときはいつでも助けてあげる」と言われてきた子供は自分の中に「~すべきだ」「人を助ける」という自我状態が入り込み、それをそのまま表現します。
大人の自我状態
「大人」の自我状態は、ある状況に遭遇した時に、冷静に判断してどうしたらよいかを考え、「今、ここで」現在持っている資源を動員してその出来事に適応的に反応する状態です。
子供の自我状態
「子供」の自我状態は、私たちが子供のころ、親や周りの大人からのメッセージに対した反応の再現です。今、誰かに叱責されると過去に親に叱られてパニックになった体験がそのまま再現されてしまうと言えるでしょう。
自我状態の例
では、以上の自我状態の機能モデルから以下のそれぞれの自我状態を考えてみましょう。
ケース1
A子「B男さん、運転が荒いわ。信号は黄色になったら止まるべきよ。」
B男「はい、わかりました。」
ケース2
B男「ここのコンビニ閉店したんだね。」
A子「たしか営業は先月までだったわ。」
ケース3
A子「来週新作の映画がすっごく面白そうよ。」
B男「楽しみだね!主演の俳優がすごく好きなんだ。」
解説
それぞれのケースの自我状態を解説していきます。
ケース1
A子さんからB男さんへの交流で
P ⇆ C と言えます。
ケース2
B男さんからA子さんへの交流で
A ⇆ A と言えます。
ケース3
A子さんからB男さんへの交流で
C ⇆ C と言えます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は自我状態の構造モデルの中でも最も重要かつ初歩的な、親、大人、子供について紹介してきました。
次回は、自我状態についてさらに深ぼっていきますのでお楽しみに
最後までご愛読ありがとうございました^^
参考文献
図解&ワークでわかる・身につく初学者のための交流分析の基礎
中村 延江 (著), 田副 真美 (著), 片岡 ちなつ (著)交流分析事典
トニー・ティルニー (著), 深澤 道子(監訳) (翻訳)