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君の名前で僕を呼んで
私が大好きな映画。
体にも刻んだくらい個人的にとてもくるものがあったのだ。
最後のシーンのエリオのお父さんのセリフを聞いて思ったこと。
「悲しいことや辛いことをもう感じたくなくて心を閉ざしてしまったら、その分嬉しい幸せ楽しい大好きっていう感情も分からなくなってくる。不感症になってしまう。」
恋愛において、相手が同性だろうが異性だろうが結ばれなくて伝わらなくて傷つくことはあるけど、それを感じたからこそ染みる幸せもあるんだということ。
私たちは生きる上でなるべくしんどい思いはしたくないしできることなら生涯幸福感だけを感じていたいだろう。
けれどネガティブな感情を見ないように見ないようにってしていたら、ポジティブなことにも気づけなくなってしまう。全身全霊で嬉しい!を感じられなくなってしまうのだと。
これは私が20くらいの頃に、
''幸せを目一杯感じられるようになるには、どれだけ辛くても今感じている悲しい気持ちから目をそらしちゃダメだ!''と気づいた時の感覚がそのまま映画になっていたもんだからとても驚いたのだ(笑)
辛い悲しい経験やそれに伴う感情があるからこそ、それを感じた自分がいたからこそ、のちに心から幸せを感じている自分に出会えるのだと思う。
今私が幸せを感じられているのは、腐りそうなほどしんどかった過去のあの日、心を閉ざさなかったから。少しづつでも前に進んだからだ。
あの出来事があったから今の私がいる、と心からそう思えるようになったのなら、そのしんどかった日々も今日のために必要だったと愛せるようになるだろう。