営業は実直に戦っても勝てない
どうも!とっくんです!
現在、人事労務系のSaasを提供している会社で、エンタープライズ領域のフィールドセールスをしています。
営業活動の中で、顧客が重要としている選定軸が自社の弱いところであったり、他社が強みとしているところだったりで、見事に失注をしてしまうという経験はないでしょうか。
僕もご多分に漏れず、幾度となく経験してきました(笑)
営業を始めたときは、顧客が重要だと言っている部分が自社の得意領域ではなかったので仕方ないではないか!と思っていたのですが、『そうとは言い切れないな』と思ってから、営業として成長したなと感じるようになりました。
ノウハウまで書いてしまうと長くなるので、本記事では「実直に闘っても勝てない」現象にフォーカスして書いていこうと思います。
(ノウハウ部分はまた別の記事でじっくり書きます)
顧客の選定軸はいつ決まるのか?
営業活動の中で、顧客の選定軸はいつ決まるのでしょうか?
RFPのような形式的な選定をする場合には選定基準が事前に決まっている場合が多いですが、全ての企業でRFPで購買を決定するわけではありません。
僕自身の感覚値ですが、エンタープライズ領域の営業活動をやっていて、RFPによる選定をする企業は全体の1割程度です。
(もちろん業界特性はあると思います)
RFPを用いない検討では、初回の商談から顧客の選定軸が明確に決まっていることはほとんどありません。
もちろん企業なので予算は重要となりますが、それ以外の明確な軸が決まっていないことが多いです。
顧客は各社の情報収集を進める中で、『これ大事かもしれない』と思ったポイントがポツポツと出てきます。
例えば、システム導入であれば、
人事マスタの連携が自動化されていることが異動が多いので重要だな
システムにログインする関係者が多いので、問い合わせ窓口の設置が重要だな
グループ会社も管理したいので、閲覧権限の細かい設定が重要だな
などなどです。
こういったポツポツと出てきた重要ポイントの積み重ねが選定軸としてまとまってきます。
そのため、顧客の選定軸は事前に決まっているわけではなく、商談を進める中で決まっていくのです。
ただの情報提供では負け戦になる
以前の記事で、顧客の検討フェーズに応じた適切な情報提供が必要であることを書きました。
しかし、ただただ実直に顧客の検討フェーズに応じた情報提供をしているだけでは、負け戦を戦うことになります。
というのも、顧客の選定軸がたまたま自社の強い部分になれば、勝ち戦とすることができるのですが、顧客の選定軸が自社の弱い部分になってしまうともう勝てません。
そのため、ただ単に情報提供をしているだけでは、勝つ可能性もあれば、負ける可能性もあるという中途半端な営業活動となります。
商談での勝率を上げるためには、顧客の選定軸を自社の強い部分となるような情報提供をする必要があるのです。
もし競合他社に、選定軸をコントロールしてしまう魔術師のような営業担当がいると、もうそれはそれは厳しい戦いが続くことになってしまうのです。
勝ち戦を増やすためには
ということで、勝ち戦を増やすためには、顧客の選定軸が自社の強みとなるような情報提供が必要になってきます。
ノウハウ部分はまた別の記事で書くことにしますが、選定軸を自社の強みにするための情報提供とはどんなものか、具体例を書いておきます。
ここでは、自社の強みがシステム上で細かな権限設定(閲覧範囲)を実現できることだったとします。
ただの情報提供はこんな感じ
勝ち戦に近づける情報提供はこんな感じ
こんな感じです。
ただの情報提供では強みとなる部分を提供しているのみです。顧客からすると「そうなんだ」で終わってしまう可能性があります。
いやいや、ただの情報提供のようなことはないよ!と思うかもしれませんが、顧客から「御社の強みってなんですか?」と聞かれた時に、思わず上記のように答えてしまうことはあります。
また、「強みはなんですか?」と聞かれるということは、強みが伝わっていなかったという裏返しでもあります。
でも、勝ち戦に近づける情報提供では、強みとなる部分を顧客が欲しいと思うようにニーズを喚起してから情報提供をしています。
こうすることで、顧客としては閲覧範囲が正しく設定できることに尾を引かれていきます。選定軸の中に食い込むことができるのです。
まとめ
今回は実直な営業だけでは勝ち戦にならないという話をしました。
もちろん、上記ような情報提供は、顧客にとってメリットがあることでないとなりません。
顧客が解決した課題によっては、どうしても自社では解決が難しい場合や強みとなる部分が見当たらない場合も出てきます。
それはいわゆる勝ち筋の見えない負け戦であるということです。
今回の記事が何かお役に立てたら嬉しいです!
それでは、また!