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『2040教育のミライ』

「自分らしく居られる場」「新しい学びの場」を創る。
上記のようなことを目標に、日々勉強や情報収集を進めています。
※前回の記事:「今日の最善が明日の最善ではない」

今回は、事業計画(とも言えない下書き状態の計画段階ですが)の進捗状況の記録。

小学1年生の夏休み、勤務先の高校の夏期講習、長らく我慢していた小説を読む時間、云々。
・・・時間がいくらあっても足りなく感じます。あっという間に7月~8月が過ぎ去ろうとしています。そうです、あまり物事が進んでいないのです。

7月某日、「事業計画の下書き」について、行政にかかわりの深い方にアドバイスをいただく機会がありました。備忘録を残します。

まず、伝えたかったことについて。
(今後のビジョンをアウトプットするよい機会になりました。)

・現在の学校生活に困難を抱えている児童生徒の助けになりたい
 →学び方や学ぶ場所の選択肢を増やしたい。
・現在の学校教育が担いすぎている(期待されすぎている)役割を見直したい
 →日々やるべき事が多すぎて、心身ともに過酷。学校現場を変えていかないと教員不足はずっと解消されない。
・子どもの学校生活のことで悩みを抱える保護者の不安や負担を軽減したい
 →子育てに悩みはつきものですが…登校不安を抱える子どもに寄り添う保護者だって様々な面で大きな不安を抱えている。

「自分の人生を自分らしく生きる」というのは、子どもたちだけに向けられたものではなく、先生や保護者にも当てはまることだなあと、書き出しながら気づきました。

 子ども達には、子ども時代をじゅうぶんに謳歌してほしいです。やりたいこと/なりたいもののためにやるべき事を見いだして、何度でもチャレンジできる機会や環境が必要です。
 先生達は、児童生徒との時間をたくさん確保して、常によいモチベーションをもって教育に臨んでほしいです。「教員=忙しそう。働き方がブラック」という昨今の社会的イメージを変えていかないと、担い手が増えないのも当然です。業務量の多さが、教職の魅力を引き下げているのは間違いありません…。学校生活がしんどい子、学習に悩んでいる子、そういう児童生徒の支援を学校だけでなく社会全体で担っていく必要があると思っています。
 保護者についても、自分の子どもが学校での生活や学習になじめないことに対して、かなりの心労を負っていると思います。前のように学校に通ってほしいという気持ち、子ども自身の考えや個性を尊重したい気持ち、自分自身の仕事や家事の時間を削る事への焦りや疲れ、いろいろな感情が同居して、その状況そのものにストレスを感じてしまうでしょう。どうか、自分自身に対して責任を感じることなく、子どもを責めるでもなく、子どもに合った学習や生活の場を見つけてほしいと思います。そして、保護者自身の自己実現に熱中できるようになればと思います。子どもが安定すれば、親は安心する。同時に、親が安定すれば、子どもも安心するのです。


次に、話題になったことについて。

① 県や市町村が取り入れている「学校内フリースクール」についての意見交換
教員として働いてきた肌感覚で言えば、登校不安を抱えた子どもや、その保護者の最初にして最大のハードルが「登校すること」です。
 「明日は行けそう」と思って寝ても、翌朝ちゃんと起きられても、着替えて学校の支度が終わっても、予定の電車に乗れても(あるいは車に乗って親と一緒に学校前までたどり着いても)。ここまでの段取りを終えられて来てもなお、「校内に入ること」は並々ならぬエネルギーが必要です。
 また、学校内フリースクールに来た生徒の対応は、学校外の職員が行っている場合が多いにせよ(新聞などの記事ではそのあたりが明記されていませんでしたが、支援員などが携わっているようです)、学校内の教員が全くの無関係でいられるとは思えません。学習・面談の記録、保護者への連絡、今後のスケジュールの調整や確認、何か起こったときの対処、等など、おそらく担任等が気にかけながら進めているのだと思います。
 以上のことから、学校内フリースクールの拡充に対しては賛成/反対ということ以前に心配が大きいです。

② 慈善事業という形で完結させず、同時に収益面を考えながら、持続可能な形を模索するべき
このような助言をいただき、納得させられました。
そもそも「教育」とか「支援」という概念は、「収益」とか「報酬」という言葉とは相性が悪いんですよね…。
(上野千鶴子さんの『ケアの社会学』で、そういう文化的背景をひしひしと感じたことを思い出します。あるいは、ジブリ映画監督の宮崎駿監督の哲学でも、「妥協しない作品作りと興行収入は両輪だ」と言っていたことも思い返されます。)
 殊に日本社会においては、お金の話が持ち出された途端に、うさんくささのような、偽善的なイメージを抱いてしまいがちです。でも本来は、教育への投資は人材的にも金銭的にも惜しみなくなされるべきなのだと思います。
NPO法人が抱える問題点にもつながるテーマだと思います。自己負担の大きさが事業継続の妨げになるケースはよくあるようです。金銭的な持続可能性については勉強不足の分野なので、今後の大きな課題です。

最後に…挙げられたアイディア達
※アバターのようなものを活用して、「場所」を常に必要としないような仕組み作り(場所に関わるランニングコストの削減)。ICTの活用。
※体系化された仕組みをパッケージ化して、拡散していく。この点はイメージが具体的ではありませんが、ノウハウを対複数に拡げていくような感じ。
※教員経験の強みを、別の分野と連携して新しいものを協働して創っていく。横のつながりを広げていくことは、自分自身の考えや経験の幅を広げるためにも必要だと感じます。

理想を見失わず、現実的な課題も見据えながら。。。
助言をいただいた後、『2040教育のミライ』という本を読み始めました。
ソニーグループ内に教育事業会社を設立した方の書籍で、ソフトウェアエンジニアのキャリアを重ねてきた著者が「教育×コンピュータ」を構想していく内容です。今後もいろいろな分野の本を読んで勉強したいと思います。
本の感想はまた別の機会にまとめる予定です。

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