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【読書】オーダーメイド殺人クラブ/辻村深月

クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は――。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説

ebookJapan詳細情報より引用

特別になりたい、私は周りと違う。
些細な人間関係に振り回されることをバカにしつつも、そこから1人だけ抜け出す勇気もない。
親の不完全さに気付き、見下すようになる感じ。
それでも最終的には親に助けてもらいたいと願う都合の良さ。
思春期丸出しな感じがリアルでした。

ちゃんと、徳川が「昆虫系男子」であるという描写が時々出てくるのでそのことを思い出せますが
読んでいるとついイケメンで脳内補正されてしまうというか。
真面目さ、おとなしさがマイナス要素として評価される中高生時代はモテないけど、大人になってからモテるタイプみたいなイメージ。
おっと危ない、美化しすぎ。

だけど「徳川ぁー東京の住所教えて!」で、それも完全な間違いではなかったのかななんて思ったり。
一番好きなシーンでした。

女子3人組の「友情」の脆さ。自分の立場のために平気で友達を売る感じや生き物を殺すグロテスクな描写は
決して明るいものではないのに、読了後は爽やかな気持ちになるという、不思議な体験ができる作品でした。

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