【読書】食堂のおばちゃん/山口恵以子
最近、ほっこり系食べ物小説多いですよね。
小説でも雑貨でもアクセサリーでも食べ物がテーマのものは昔から大好きなので
その手の作品も見つけては読んでいるのですが
こちらは、ちょっと他とは違うなと思いました。
まず、「食リポ的表現」が無い!
焼き魚、煮魚、エビフライ、春巻き、ビーフシチュー。
出てくる料理はどれも、いいなぁ…食べたい!と思うものばかりですが
カリッ、とろーり、ジュワーなどの擬音語なしでその魅力が伝えられています。
食べる様子より、作り方の描写や店の雰囲気で美味しそう!と思わせてくれるところが個人的に好きでした。
もう1つは、「癒しの押し売り」が無いこと。
はじめ食堂を切り盛りする一子は80代、二三は50代。
辛い過去もあったけれど、
がむしゃらに頑張ったり、自分の生き方に悩んだりする時期はもう過ぎて、落ち着いている。
人生を語ったり、あなたはあなたのままでいいのよなんて励ましてくれたりする「いかにも」な癒しは
今の私にとっては重いので
人生いろいろ経験したおばちゃん2人が、自分たちの身の丈に合ったやり方でどっしり構えている安心感が心地よかったなと思います。
ちなみに今回私が
一番食べたくなったのは焼き魚定食でした。
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