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「画質が良い」ってなんだ?
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カメラを買った時、レンズを買った時、読者諸君も一度は「画質が良いなぁ」と思ったことがあるのではないかと思うが、「画質」とは具体的に何を指しているのだろうか。まず、定義をweblioの『画像技術用語集』から見てみる(https://www.weblio.jp/content/%E7%94%BB%E8%B3%AA)
画質
読み:がしつ
英語:image quality
画像のトータルな品質.人間が見て良い悪いを判断する心理的な評価と,解像度,MTF,階調再現性,ノイズ量等の物理的な量で評価する方法がある.
この定義によると、画質は
・人間による官能的な評価
・物理的な指標
の二種類で構成されることがわかる。物理的な指標は専門では無いため、ネットで検索していただいた方が良い結果が得られるであろうということで(個人的にカメラ部TVさんの解説がオススメ)、今回は官能的な評価の方を深掘りしていく。
画質をよく「感じる」ための要素として
①解像感
②ノイズの少なさ
③コントラストが低下していない
④トーンが残る
⑤ボケブレがない
の5つが考えられる。
①解像感
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画質を評価する上で最も影響する項目。画像は点の集合体なので、点の数が多い(=画素数が多い)が多ければ解像度は上がる。さらに、レンズが隣合った二点を分解する分解能も高いほど解像感が上がる。これは組み合わせで上がるので、「レンズに金をかければ画質が上がるよ」という話はそこそこ正しいとわかる。画素数が同じであったとしても、レンズ側の分解能が向上すれば解像感は向上するからだ。
②ノイズの少なさ
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感覚的な評価においては、ノイズが少ないことがかなり重要になってくる。ノイズが増えると写真全体に本来は存在しない粒が発生してザラザラになるので、感覚的な画質は低下する。ノイズリダクションをかけると①の解像感が低下するので、かけ具合はバランスを見ながらになる。
③コントラストが低下していない
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特に古い安価なレンズで強い光源を撮ると発生しやすいのだが、画面全体が白っぽくなることがある。全体的に色が薄くなるので、「画質が悪い」と感じる場合が多い。ただ、この画質低下に関しては「エモ」としてプラスに評価できる場合もある。
④トーンが残る
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明暗差が激しい場面において、白飛びや黒潰れが発生したり、トーンジャンプ(階調が表現できず縞模様になる)が発生したりすることがある。白飛び黒潰れは、狙って綺麗に出せば良いが、悪い出方をすると画質が悪く感じられる。トーンジャンプは狙わないので、ただの画質低下だ。
⑤ボケブレがない
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これは機材関係ないので書くか迷ったのだが、何となく画質が悪い場合、ボケブレが悪さをしていることは意外とある。パッと見ピントが合っているのだが厳密に合わせるとピントが少しズレている、被写体が僅かにブレている、といったことでも直感的画質は低下する。
以上、私が考える画質の要素を考えてみた。他にも画質を左右するパラメータはあるかもしれないが、私が感覚的に画質を評価する時のポイントを言語化した。一つ重要な補足として、画質の良さは必ずしも写真の良さの一要素であって、良い写真に直結はしない。ただ、「なんか画質悪いな」で見て貰えなくなる可能性はあるので、画質が悪く見えないようにすることは決して無駄な行動ではないとも考えている。
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鉄道写真を中心に活動中の写真作家です。作品は日々InstagramやTwitterに投稿しています。
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