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『つきとつりをする少年』 第5話 (最終話)

みなさん、こんばんは!おげんきでしょうか?
ぼくはなんとかげんきでやっています。

月のひかりは、ほかのおほしさまのひかりをけすぐらいつよいですよね!それはぼくとちかいからか、どうなのかわからないんですけどすごいことですよね。

こよいはお月さまのおはなをかりて、つりをしています。
そんなゆめみたいなはなし、ありませんよね!?

でもこれで大丈夫なんです。月さんもぼくのたいせつなおともだちなので。

ママがいっていたことを思い出しました。
すこし、いいあいになってしまったかもしれません。

『あなたはいつもお月さまみたいに、まるでかげのようにお友だちと、こそこそおはなしするのね。』

『ママ、そんなことないよ。お月さまはほんとうはてらしてくれてるんだよ、みんなを。』

『そうではないとおもうわ。ただ、たいようのひかりをはねかえしているだけじゃないの、お月さまは。じぶんでかがやいているわけではないわ。』

『よるにかがやいて、あかるい。それだけでお月さまはすごいんじゃないかな。ぼくがつりしてるときなんか、ぜんぶお月さまのひかりでやってるよ。』

『あなたはなにをかんがえているのかわからないわ。
ひとりでやる、つりがすきだから、
おともだちもすくないんじゃないの?いつもひとりなの?』

『おとだちがすくなくても、お月さまがおともだちだから、ぼくはばんばんざいだよ!
もうほんとうに、おともだちはすくなくてもいいんだよ!』

ぼくはおおきなこえでママにいったことを、おもいだしました。
『お月さまはおひるまでも、みんなをいつもてらしているし、すごいなあっておもうんだ!
ほんとうに、ありがとうだよね!』

つきとつりをする少年は、いつでも、どこでも、だれといたって、お月さまのひかりにてらされていたんです。

『つきとつりをする少年』(完)
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