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#小説
彼女の宇宙 病室にて
少女は夜道を歩いていた。雪が降っている。だんだん勢いを増し、道は埋もれ、視界が白く染まる。平らに均され、陰影が失われて上下左右の区別すらつかない。
しばらくして、平面にうっすら三本の線が浮き出した。一点に収束して部屋の角になる。そこから板を敷き詰めた天井が、青い影の落ちた壁が、朝の光を透かすガラス窓が現れる。続いてアルミのカーテンレール、垂れ下がるカーテンのひだ、吊るされた点滴の袋、落ちる雫、
少女は夜道を歩いていた。雪が降っている。だんだん勢いを増し、道は埋もれ、視界が白く染まる。平らに均され、陰影が失われて上下左右の区別すらつかない。
しばらくして、平面にうっすら三本の線が浮き出した。一点に収束して部屋の角になる。そこから板を敷き詰めた天井が、青い影の落ちた壁が、朝の光を透かすガラス窓が現れる。続いてアルミのカーテンレール、垂れ下がるカーテンのひだ、吊るされた点滴の袋、落ちる雫、