物語みたく、語り手がいたらな。
久々にページをめくる手が止まらないくらい、
物語にのめり込みました。
悲しく美しいストーリーで、
先が気になって気になって仕方なくて‥
読者目線からすると
登場人物が少しずつ掛け違ってくボタンが
切なくてもどかしくて、
俯瞰して物語を見てるからこそ
あそこでああしてれば、こうはならなかったかもしれないのに‥と、すれ違いにとっても悲しくなるお話だった。
読者だけは、それぞれの登場人物が抱える本当の気持ちを知っているからこそ、
「ここで素直になってたらな」とか、
「ここがもう少しタイミングが合えばな‥」とか、
「これは誤解なのにな」って、
いくつもいくつものすれ違いの種が分かってしまって、本当に切なくなる。
でも当の本人たちは、
語り手に教えてもらえる私たち読者と違って
相手の真の気持ちなんてわからずに
がむしゃらに日々を生きてるわけだから、
毎日色々と訪れる選択やタイミングの
どれが正解かなんて計算できるわけがなくて。
ちょっとしたことから少しずつすれ違ってしまったり、お互いが思い合っていても相手の気持ちに気がつけずに見過ごしてしまったり‥
これは自分自身の日常においてもそう。
相手の本心なんてどれだけ考えてもなかなかわかるものじゃなくて、憶測しかできなくて、だからこそ誤解したり勇気が出なかったり、勝手に諦めちゃったりする。
日常でも、物語の世界みたいに
語り手がいたらいいのになあ、って。
そしたら大事な気持ちやタイミングを
見過ごさずにいられるのに。
まあ、そんなのは甘えだとは分かっているんですが‥
人の気持ちは分からないから
分かりたいと思うんだろうし、
なるべく後悔なくいられるように
自分なりに精一杯、
日々を積み重ねていくしかないんだろうなあ。
そんな感じで、
感情がぐちゃぐちゃになるほどのめり込んで
色んなことを考えさせられた本はこちら。
とにかく儚くて悲しくて美しいお話です。
はああ大好き‥
ネタバレふまずには何も語れなさそうなのでここではやめておきます。(でもこの処理できない感想はいつかnoteにまとめたい‥!)
月子ちゃんがかわいくてかわいくて、でも強さも持ち合わせていて好き。