29/100 『味な店』 平野紗季子
『POPEYE』の人気連載が1冊の本になったものらしい。
私は『POPEYE』という雑誌を本屋さんで目にしたことはあっても
手にとったことはほとんどない。
でも『味な店』というタイトルが目に飛び込んできて私の心を掴んだ。
そして 「はじめに」の
「いつもは いつまでもじゃない」
という言葉が胸に刺さった。
数年前 夢中になっている人がいて
よくその人のイベントに足を運んでいた。
その当時私は 無職で じわりじわりと
貯金が底をつき (もっと早く働き始めればよかったのに)あるときイベントに
行かなくなった。(行けなくなった)
それでも どうしても行きたい!
と思ったイベントがあった。
迷いに迷ったけどやめた。
「また今度でいいや。」
と思っていたからだ。
でも
それがその人の最後のイベントになった。私は すごく後悔した
あの時のことを思い出していた。
いつか会おうは 今会ったほうがいいし
いつかやろうは 今やったほうがいいし
いつか行こうは 今 行ったほうがいい。
できるかぎり そう生きたい。
できるかぎりでいい。
絶対とかじゃなくていい。
できるかぎり。
そうして 少しでも悔いのない人生を送りたい。
なんだろう 小林聡美さんの『聡乃学習』に続きこの本からも
「やりたいことをやりなさい」
というメッセージが…
「わかった わかった!そうするって!」と心の中の誰かに言った。
この「味な店」。
大衆的なお店もあれば
ホテルのルームサービスなんかも
出てきて 幅広いところがいいなと思った。
「実家皿の店」とか「上に住んでる」とかジャンルの分け方も面白い。
それに 2021年現在のお店の状況が
添えられているところが
著者の平野さんのお店に対する愛が感じられて素敵だなと思った。
そしてまさかの 小谷実由さんが載っていたり(小谷実由さんのインスタに載ってた本を読んだって話を書いたばかり)
長濱ねるさんが文章を書いていたり
(長濱ねるさんの秀逸な帯に惹かれて買った本の話も書いたばかり)
えっ?こんなことってある?!
と私的シンクロに驚いている。