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#写真
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Aパート6-4)
眼を開いた先には、青色が広がっていた。
今までに一度も見た事もない、混じりけなく、でもどこまでも奥行きがあるような、それは青だった。
「右目もつけるよ、こっち向いてね」
シキの呼びかけに、急に我に還る。
もしかして今、空を見ていた? あれほど嫌いだったはずの空を?
「両目で見た方が、きれいに見えるよ」
シキがわたしの心を見抜いたような一言をささやいた。何も言い返せない、いや、言い返そうと思わなか
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Aパート6-3)
あれ、この感じ前にもあった、なんだっけ、って思った瞬間。
二つのコーヒーキャンディが、同時に引き合うように動いた。
ぐいって音が聞こえた気がした。生きている人の眼じゃない感じ。寄り眼、ってやつ。
「わわっ」思わず素の声がでてしまった。怖いってのユーレイのそれとは違うけれど。
「ミノルの負け、ありがとう!」
シキが眼を戻し、嬉しそうにいたずらっぽくパ行で笑う。ぷぷぷ。
「笑うな何が『ありがとう』だ
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Aパート5-3)
と、急にシキは振り向きわたしの顔をのぞき込んだ。
何だよいきなりそんなに見るな。面白い顔なのかもしれないけれど。
「さて、ここで問題です。彼はこのお金で、何をしたのでしょうか?」
「何それ。答えて何か意味があるの?」
「意味があるのかは分からないけれど、大切だとは思うよ」
ろくに根拠もないはずなのにどうしてそう自信満々に言えるかな。シキに7割くらい、あきれてみた。
でも、残り3割くらい、違う気持
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート3-2)
そうなるともう一つ気になることがある。『Y』の右上に進むとどうなるか、だ。
ちょうど交差点にぶつかった。ちょうど信号が点滅する。慌てて向こう側に渡る。すぐに90度右の信号も青になった。
多分もうそんなに時間がない。横断歩道、白い線を飛び越えるように走った。
渡りきったわたしの目の前にあったのは、土色の塀だった。表面はザラザラな感じ、上には瓦が乗っていたり、シントシンとはほど遠いイメージ。なんだこれ
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート3-1)
また、コーシューとカンロクの交差点を渡り、この間の続きを歩いている。
ジャイアントマンの横をこっそり通り過ぎた。
あいさつはしなかった。ばからしいと思ったからじゃなく、いらない、と思ったから。区切りをつけなくてもいいことだってある。多分またジャイアントマンはずっとあごかがくがくさせているだろうし、太陽型の広場も当分あるだろう。人に成長してもアザラシは結局アザラシだろうし。これは関係ないけれど。
交
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Aパート3-3)
今までの時間の中で、自分が主人公だったことが、いったいどれだけあっただろう。もしかしたらずっと脇役で、いや、舞台にすら立たないまま時間を費やしてきたのかもしれない。
「そうだ、念のために」
シキが付け加える。
「助けにきてくれたところ申し訳ないけれど、私は姫じゃないよ」
「分かってる。いくらなんでもそこまで頭悪くない。そしてシキは意外と自意識過剰」
「厳しいご指摘ありがとう。でも、こんな姿勢で眠
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート2)
階段を下りた左に待っていたのは、未来でも四次元世界でもなく、ひとりの男だった。
ベージュとブラウンと大理石風のタイルで敷き詰められた円形の広場。場所は地下1階くらい、円形劇場を思わせる感じ。彼はその中央に立っていた。
でかい。
おおきい、ではなく。『ジャイアント・マン』と勝手に呼びたくなる。普通の男の4倍くらいの高さ。横幅は倍くらいだから、ひょろっとした感じ。でも油断すると踏んできそう。どしん、ぺ
(試作 パイロット版)(学園ものに見えて、じゃないストーリー2)
そんな日々からの変化に気づいたのは、学年が変わってすぐのことだった。
「ごめん、今日部活のミーティングだから、お昼別でお願い、それじゃ」
こんな言葉が誰からともなく出てくるようになった。もちろん理由は人によって、時によってかわるわけで、例えば「ミーティング」が「昼の練習」に、「学年委員会」その他にかわる、そんな感じ。
それを聞いた残りの私たちは「うん」とか「わかった」とか「了解」とか適当な相