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人生は旅であるという、まず僕らはその人へ向かって旅をしてみよう。

満開の桜が春風に煽られて舞い散るさまが幻想的でした。

松尾芭蕉『おくのほそ道(全)』角川ソフィア文庫

僕は和歌や俳句が好きで、たまに調べたり、本を読んだり、自分で作ってみたりするので、もちろん芭蕉のことも少しは知っているつもりだったのですが、『おくのほそ道』を通して読んでみて、今更ながら深く衝撃を受けました。いままで紀行文(旅の記録を綴った文章)一般に抱いていた固定観念が覆され、その可能性の真の豊かさに目を開かされるとともに、これが旅に生きた俳句の達人、あの松尾芭蕉の文章か、と本を閉じながら感嘆を禁じえませんでした。

ところで、このように、角川の「ビギナーズ・クラシックス日本の古典」シリーズを紹介するときはたいていいつもよりテンションが高いのですが、それは古典の内容が面白いからだけではありません。
読みやすい現代語訳はもちろんのこと、引用された作品の解説や図説など、補足情報の充実度が圧倒的で、必要にして十分、ほんとうに「この一冊ですべてが分かる」といっても過言ではありません。

たとえばこういう資料。なんと、全旅程図です!これはすごい…

付録には、さらに詳しく知りたい人に向けた書物や史跡への案内もあり、読者の興味関心に応じた探求の道を多様に示すことも、もちろん忘れてはいません。

と、このようにビギナーズ・クラシックスを称揚しはじめるといっこうに内容に入ることができません。まあそれほど素晴らしいということなのですが…

長くなりそうな予感がするので、『おくのほそ道』の内容はまた次回にしましょう。

なんか毎度このパターンな気もしますが……。

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