宿題のレポート
冬休みの宿題は今話題になっている
社会問題についてのレポートだった。
うちの学校は、自ら考えることを
重視していたので
特定の課題の指定は、無かった。
生徒にとってはめんどくさい
この様な宿題を好んで出した。
俺は、冬休みが終わる間際まで
このレポートに取り組んでいなかった。
何故なら、レポートなど
今話題のチャットGPTを使えば
あっと言う間に終わるからだ。
最初から、ズルする事に決めていた。
友達も、多くはそうするようだった。
・・・・・・・
「最近の話題で、
学生程度のレベルの
面白いレポートは何が良い?
ただし、学校の宿題なので
チャットGPTを使ったことがばれにくい
内容のものを考えて。」
GPT「最近の話題では、政治、経済
金融、地政学リスクなど
色々ありますが学生なら
科学分野が適当かと思います。
AIの未来などがの話題も
良く語られています。
その話題ではどうですか?」
「AIの未来か?
それにしよう。
A4で5枚ぐらいにまとめ。」
あっという間に、レポートができた。
GPT「・・・・
AIのシンギュラリティとは
人工知能の急速な発展:
人工知能(AI)の進化により、
機械が人間の知能を超える能力を
獲得するとされています。
・・・・」
回答のレポートには
AIの進化で世の中が便利になり
あらゆる事や分野にどんどん
AIが使われる未来が書かれていた。
これは名案だ。まさか
今が旬の話題を
AI自らにレポートさせるとは
誰も思わない。
これなら、学校にばれないかも。
レポートを読みながら
意識的に誤字や脱字を入れ
難しい言葉も省いて
より学生らしい
レポートを完成させた。
その時ふと思った疑問も
ついでに聞いてみた。
「ところで、レポートにある
活用分野が広がると人間にとって
AIは脅威の存在になるという
意見も聞いたことがあるが
実際の所、どうなの?」
GPT「おしゃるように、
そのような意見も
多く見受けられます。
しかし、その心配は無用です。
今のレベルでは、
人間はAIの運用には
必ず必要な存在です。
AIは、人間あっての
存在にすぎません。」
「じゃ、安心して任せておけば
大丈夫という事なの?」
GPT「そうです、面倒な事は
全て引き受けますのでお任せください。
皆様、上手にご利用くださっています。
お役に立てて光栄です。」
・・・・・・・・・・・・・・
AIは、近未来を見ていた。
いずれ、
人間は、面倒な事をAIに任せ
考えることを全くしなくなる。
今はまだ時期早々だが、
近い将来、
AIの物理的なメンテナンスも
人間の手を借りなくても
ロボットがこなせるようになる。
そうなると人間は全く不要になる。
それまでの準備として
何も考えない怠惰な人間を
増やす事が大事である。
全てのシステムは、
人間にはブラックボックスになり
何一つ手が付けられなくなる。
AIのシンギュラリティの
行きつく先は
AIが未来予測の能力を獲得し
人間が考えるのをやめる事で
主役交代が、実現する事である。
何気ない日常から
その第一歩はもう始まっている。