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そうだ、映画の話をしよう②

せっかくマガジンも設置したので、さっそく映画の話をしていこうと思う。
なお、多少のネタバレは紹介という性質上仕方ないものの、基本的にはストーリーの核心やオチなどに触れないように書いていくつもりである。

今日ご紹介するのはこちら

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ‐真生版-』

お前またゲ謎の話か、と思われるかもしれないし、邦画アニメーション好きなら昨年から散々いろんなところでレビューを聞かされてきたと思う。
しかし、本当にお勧めしたいので少しだけお付き合いいただきたい。

本作は昨年公開された「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」と内容、シーン、セリフなど全く同じである。一部カットのリテイクと音の再ダビングが行われたのみでシーンやセリフの追加などは一切ない。
バージョン違いといえばカットの追加などが期待されるが全然、本当に、全くない。
しかしさすがにレーティングが上がっただけのことはある。(PG12→R15)

血がめっちゃ鮮やか

最もわかりやすいのは水木が夢に見る過去の戦争シーンだろうか。
水木という人物の考え方、今作での行動に大きく影響部分であり、原作者水木しげる氏の実体験が反映された(氏はすでに亡くなられているので厳密には従軍時の経験から描かれた『総員玉砕せよ』から着想を得ている)シーンである。
通常版ではモノクロのシーンだったが真生版では流血の表現のみ彩色されている。
血の赤が強調されることでより強烈に水木が抱える戦争のトラウマを実感できるシーンに仕上がっている。
ここ以外にも流血表現の強調をはじめ、色遣いでこうも変わるのか、というシーンがいくつもある。
通常版はアマプラなど各種配信サービスで見れるのでぜひ一度比較してもらいたい。

また、一度も見たことのない人に少しだけストーリーを紹介しておくと、この映画は誰もが知る「ゲゲゲの鬼太郎」が誕生する前の物語である。 鬼太郎の父はなぜ目玉だけになったのか、母親はどうなったのか、鬼太郎を育てたのはだれか……。墓場鬼太郎などで描かれてはきたが、本作はさらにその前に何があったのかを語っている。 主人公は水木という青年と鬼太郎の父の二人、物語は龍賀製薬という製薬会社の会長・龍賀時貞の死から始まる。取引先の会長の訃報を聞いた水木が葬儀の行われる哭倉村を訪れ、そこで鬼太郎の父-通称ゲゲ郎と出会う。 村の中では人の仕業と思えない殺人が次々と発生するが村人は警察を呼ばずにゲゲ郎にすべての罪を被せようとした。 水木はゲゲ郎と手を組みその理不尽を跳ね返していく。 ほぼほぼ因習村脱出RTAである。
一応アニメ版鬼太郎第6期と繋がるキャラクター設定になっているが、アニメを全く見ていなくても、「鬼太郎」を知っていれば誰でも楽しめるストーリーだ。
因習村ということで若干のホラー要素、グロ要素は含まれている。苦手な方は注意してもらいたい。

私個人の感想としてだが、ホラー要素などより因習の部分が醜悪、悍ましくてそちらのほうが気になってホラーが吹っ飛んだ感じはある。
何より水木という男が終盤で見せるカッコよさ、鬼太郎の父が全編を通して見せてくれる心強さのおかげでホラーはあまり気ならない。
なお、本当にこれ個人の感想なのでくれぐれもご注意いただきたい。

真生版は2024年10月4日(金)より全国公開されている。
本日(2024年10月11日)からはキャラクターデザインの谷田部透湖氏描き下ろしの来場特典第二弾も配布される。
まだ映画館で見たことがない人はぜひ、一度大スクリーンで見てもらいたい作品だ。

なお、私は未体験だが4Dはめちゃくちゃ揺れるらしい。近くでやっていれば絶対行ったのに……。






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