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「今ホットなことは?」Inner MBA 体験記 #17

新年の 抱負、新しいチャレンジ、決意、意欲 ---そういったポジティブな言葉を吹き飛ばすように大寒波がやってきた。そして世界的に終わりの見えないパンデミック、大統領交代をめぐる混乱。2021 も VUCA な年になることは間違いない。

そんな時だからこその自己認識とマインドフルネス、なのだが、さっとボディスキャンをしてみると全身が冷えていて、体温も気分もなかなか上がらない笑。

今回も引き続き「難しい会話」について少しだけ書きたい。主に Scott からの講義内容だが、その他のセッションから学んだこともまとめてある。

共通のゴールを確認する

難しい会話のシチュエーションでは喧嘩になってしまったり、一方的に攻撃した/されたようになることがある。例えば前回に引き続き、部下に厳しい評価を言い渡す時のケーススタディで、「共通のゴール」を伝えることを考えてみよう。

「私たちにとって共通のゴールは”会社とチームを成功させること”。そのためにどうしたらいいだろうか?個人として何が改善できるか?」

この前提が差し込まれることで、会話の目的を合わせることができる。

例えばサッカー部のキャプテンがチームメイトをダメ出し(この言葉が本来良くないが)する場面なら、「共通のゴールは”県選手権ベスト4”。そのために強化すべきポジションとスキルは...」などなど。

ビジネスパーソンとしては当たり前の考え方かもしれないが、いざ感情のコントロールが必要な「難しい会話」の場面になると、この前提が抜けてしまうこともあると思う。

自己開示のテクニック

人から何かを聞き出したい時、まず自分の話をする、という古典的なテクニックは難しい会話の場面でも役立つ。ここに、AIを利用したチャットボットの面白い実験がある。

Aグループには「Xというサービスについて不満を教えてください」と聞く。

Bグループには「私に最近バグが見つかって、でも担当のエンジニアがすぐ治してくれなくて困ったんですよね、ところでXというサービスについて不満を教えてください」と聞く。

正直、かつ数多く不満を回答してくれるのは断然Bグループだったという。画面の向こうにいるのは人間ではなくAIであるにも関わらず、だ。つまり、人は何か傷ついたこと、恥ずかしいこと、小さな失敗、などについて正直になってくれる人には自分も心を開くという心理的傾向を持っている。

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*人は誰しも氷山のように、海面の上に出た部分しか他者に見せていない。自己開示は自分の海面を下げることによって、相手の海面も下げてもらう手法だ。

何が課題か?でなはなく、何がホットか?

これもビジネスパーソンとしてあるあるかもしれないが、初めて話す顧客、面接相手、またはシニアな役職者などに対して少しでも有意義な質問をしようとして「いま何が課題ですか?」と聞いてしまう。彼/彼女らは真剣に答えようとして、眉間にシワを寄せる。そして、その会話は難しい会話になっていく...。

人間の脳はデフォルトの仕様としてネガティブに思考している。それは悪いことではなく、それが本来のサバイバルのための仕様だからだ。そこで、同じ内容を聞くにしても「いまの仕事で何が楽しみですか?」「取り組むのにベストな課題は何ですか?」などポジティブな聞き方をしてみよう。

個人的には、初対面の人と話すときに「いま何がホットですか?何にハマってますか?」と聞くことが多い。これは心理的な距離を縮めるのにいい方法だと思っていたが、Inner MBAでもそれが正しかったことが証明された(!)。

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以上、今回も難しい会話の際の実践的なテクニックについて触れた。2021年、今年は自分にとって、また家族や組織にとって何がホットか?少し立ち止まって問いかけてみよう。

次回、Inner MBA 体験記 #17 に続く!


P.S. ユーザー名を「封印再度」に変えました。大好きな小説家の一人、森博嗣さんの作品『封印再度』から。WHO INSIDE のダブルミーニングでもあります。言うまでもなくInner MBA を意識したネームです笑。

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