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バルタン星人と認知論

    今回はアドラー心理学5大理論の「認知論」について、今回はこれまでと少し趣向を変えて書いていこうと思います。
    認知論とは物事には色々な角度があり、見る角度によって見方や意味が変わる。なので嫌な事や職場にムカつく奴がいたら別の角度で見てみよう、そうすると心が楽になるかもしれないよ?という考え方です。
    いきなりですがウルトラマンと言えば「地球を守る正義ヒーロー」、一方で怪獣や宇宙人は「街を破壊しながら地球侵略を狙う悪者」という認識が一般的です。
    しかし本当にそうなのでしょうか?
    例えばバルタン星人。
    地球侵略を狙う悪い宇宙人というイメージかもしれません。実際それでウルトラマンや科学特捜隊と戦っているので無理はないですが、深く彼らのストーリーを知るとイメージがだいぶ変わると思います。
    そもそも何故彼らは地球侵略という行為を行ったのか?
    その原因は彼らの故郷であるバルタン星をマッドサエンティストが行った核実験によって失ってしまった事です。そんな中、たまたま宇宙旅行中だった事で難を逃れた20億3千万人は帰る場所をなくしそのまま宇宙船で広大な宇宙を放浪するハメに……。そんな時、宇宙船の修理と欠乏した予備パーツのダイオードの調達のために地球に立ち寄った所、そこが自分たちの居住出来る環境であると判明します。おそらく長い宇宙船での生活に疲れ、大地や新鮮な空気に包まれ、故郷を思い出したのかもしれません。
    そこで地球移住を決断、その後の物語は「ウルトラマン」第3話「侵略者を撃て」に続きます……。
    脚色した所もありますが、概ねこんな感じでしょう。
    まぁバルタン星人の気持ちもわからなくはないです。
    恐らく彼にも家族や友人、大切な仲間がいたのでしょう。彼らが生き残る為の最終手段だとしたら、バルタン星人の考えは当然と言えるかもしれませんし、同情の余地さえあるかもしれません。
    またバルタン星人は自分たちの事情を説明した上で地球への移住について科学特捜隊のハヤタ(ウルトラマン)、イデ両隊員と交渉したという経緯もある為、他の宇宙人よりも常識的、紳士的です。
    しかし20億3千万人という人口の多さがネックとなり断られ、また代わりに移住を提案された火星にはバルタン星人の苦手なスペシウムが存在する事から交渉は決裂、武力衝突に発展してしまいます。
    その後の彼らのストーリーも涙なしでは語れません。
    特に「帰ってきたウルトラマン」第41話「バルタン星人Jrの復讐」に登場したのは上記、「ウルトラマン」第3話に登場した個体の息子です。
    ウルトラマンに殺された父の敵討ち……母星を失った挙句、こうも戦い続けるのはまさしく「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」です(´TωT`)

    このように何度も攻められる地球人の主観で見ると、バルタン星人は迷惑な存在です。しかしそれは偏った見方で、バルタン星人のバックストーリーや武力行使の前に交渉したという事実を知ると「実は良い奴なんじゃないか?」など違った見方も出来ると思います。
    これが認知論です。

    皆さんも職場でムカつく上司や生意気な後輩など苦手と思う相手がいたら、嫌いになる前に別の角度から見てみる事をオススメします。
    それでもダメなら……そう言う事です。

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