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ダメ人間と対人関係論①
嫌われる勇気という有名な本がありますが、私は読んでいません。正確には図書館の返却期限までに読み終わらず断念しました……。
そもそも私、ダメ人間なのに承認欲求の塊なので残念ながらそんな勇気は持ち合わせていません。
その証拠に今も昔も人を叱ったり、怒ったり、注意したりする事が大の苦手です。
理由は嫌われたくないから。大体口煩い上司や先輩は陰口を叩かれるのは世の常です。
「ダメ人間と自己決定性」にも書きましたが、元々自己肯定感の低かった私は嫌われる事を極端に嫌って、必死に自分を殺しながら良い人を演じようとしていたのかもしれません。
それもあり20代の大半を過ごした某大手レンタルビデオ店では上司や後輩からは好かれ、比較的昇格が早く、リーダー的なポジションを任されるようになります。
そうなるとメンバーの言動に何か問題があったり、対応にミスがあると、リーダーである私の所にクレームがくるのは当然の事です。
その際、大体言われるのは「もっと怒った方がいいよ」、「ちゃんと言わないとダメだよ」、究極は「君はリーダーとして全然ダメだね」……これはさすがに「うっせー、ハ〇゛!」と思いましたが言い返す事は出来ず……どんなにムカついても嫌われたくない感情が勝っていました。
そんな先輩もいれば、出勤して挨拶もないなど明らかにナメた態度の後輩もいたり……本来は注意するべきなのかもしれませんが、当時は承認欲求の他にフリーターという劣等感もあり、なかなか言うに言えない状況でもあった事を何となく覚えています。
余談ですがそういった奴は飲み会に呼ばない、或いはそいつの嫌いな人の誕生日を派手に祝うなど地味な復讐をしました。
話し戻って当時は悩みました……この頃にアドラー心理学を知っていたら精神的にかなり楽だったと思います。
対人関係論で一番共感出来るのは「横のつながり」です。
後輩スタッフとは先輩、後輩という上下関係はあれど、私は正社員ではなかったので上司や部下という関係ではないと思っていました。なので年下だろうが何だろうが、お互いに得意な所、不得意な所を補いながら共に成長しようというスタンスで接していました。
最たる例は私が今の仕事を始めるきっかけになった障害者雇用の男性スタッフです。
彼は他部署から「仕事が遅い」や「使いにくい」など何だか色々あって私の所にやってきました。
たまたま中古のゲームソフトやDVDを扱う部署にいたので、彼にはそれらを磨いて袋に入れるという商品処理の作業をお願いしました。当然ですが慣れない作業なので最初は磨きが足りなかったり、袋もシワシワだったりと売り場に出せる状態ではなかったです。
私も新人の頃はCDやDVDの袋詰め、特に封をするのが地味に難しく出来るようになるまで時間がかかったので、それを語りつつ、自分の金で買った訳ではないので「袋使い放題だから練習のつもりでどんどんやって! 俺もそうしたから!」と、上手く出来ない事に共感しながら、一つ一つ一緒に取り組む事で徐々に出来るようになっていきました。
仕事以外でも一緒に昼食に行ったり、仕事中も雑談、プライベートでもメールで恋愛相談を受けたりなど、かなり心を開いてくれていたと思います。
当時は意識していませんでしたが、上下ではなく、横のつながりで接していた事が良かったのではないかと思います。
その後、彼は中古商品処理班のエース格となり、他部署からもヘルプで呼ばれるぐらいにまで成長してくれました。
また彼のお陰で福祉に興味を持った私も、夢に見切りをつけて今の仕事に就く事が出来、結婚して可愛い娘も生まれる等、人生は好転、人間的にも成長出来たと思います。
そのきっかけをくれた彼には感謝してもしきれません。
また思うのが、もし冒頭で話した先輩方の言う通り、厳しく接していたなら……結果は大きく変わっていたでしょう。
人によってはある程度厳しく接した方が育つ人もいるでしょうし、ケースバイケースかもしれませんが、アドラー心理学でお墨付きをもらった以上、これからも横のつながりを大事にしながら自分自身も一緒に成長していこうと思っています。
ただこれを否定したり、挨拶がないなどナメた態度をとる奴は……地味で陰湿な報いを覚悟なさい。