見出し画像

奈良と鹿と初夏の散策。『空海―密教のルーツとマンダラ世界』奈良国立博物館

友だちと久しぶりの奈良デート。行先はもちろん奈良博。空海展ということで、混んでいることを予想。早起きして、開館前に到着するように待ち合わせ。奈良公園では、鹿たちがすでに、せんべい屋さんの前でスタンバイ。どちらも気合充分です。

開館前から並んでいる人も! チケットはオンライン入手しといてよかった。

さて、「空海」展ですが、すごくよかったです。ほとんど撮影不可だったので、詳しい内容を知りたい方は、公式サイトをどうぞ。平安時代(9世紀)の五智如来蔵とか、十二天像、不動明王坐像などなど、大きくて迫力ありました。

珍しくておもしろかったのは、インドネシアに伝わった密教の展示です。ガンジュクで出土した金剛界曼荼羅彫像がたくさん、日本から技術者がいって協力したおかげで日本初公開。ビジュアルに訴えるデジタルな展示は中国だと普通になってますが(そもそも展示史料が少ないこともあるけど)、日本はいわゆるガラスの向こうの展示が普通だったので、3次元的は展示が新鮮でした。

貝葉の実物もみれたり、空海の直筆もみれたり、とにかく1日分の体力を半日で使い果たしたくらい重厚でした。空海が持ち帰ったかもしれない、中国の唐の時代の小さな携帯できる仏像とか、溜息しかでないし、一度は行ってみたい西安の碑林博物館からの貸出品もあって、とにかく満足。しっかり朝ご飯食べて出かけたのに、お昼前にはお腹ペコペコです。

(C)空海展のパンフレットより

個人的に今回おもしろかったのが、空海の署名。これだけまとめて、たくさん空海の直筆を見たのは初めてで、気付いたのは「海」の異字体。空海は「海」の字にさんずいではなく「毎+水」を好んだんですね。書道やる人なら当然知っている話でしょうが、私は知りませんでした。おもしろい。

修復工事で玄関だけ現代的になりましたが、私は古い方の建物が好きです。

公園近くのおいしいカフェで一息いれた後は、仏像館へ。空海展の2千円におまけでついてくる仏像館ですが、展示内容の充実度に加えて、旧奈良博のおちつく建物に入れることを考えると、プライスレス。

奈良仏像館はもと帝国奈良博物館
仏像、ぜんぜん詳しくないので、単純にかわいいもの、古いものが好き。
瓦の仏さまも結構好き。
十二天は種類が多くて、動きがあるのが好き。
中国の崑崙山をイメージした博山炉。最近、中国の神仙思想に興味があります。

そして、仏像館にさりげなくある青銅器の展示室。空海展がだいたい9世紀から11世紀くらいまでのものなのに、いきなり青銅器は紀元前10世紀とか2000年以上時代が逆戻りして、クラクラする展示ばかり。鉄器だと錆びてなくなってしまうけれど、青銅器だからこそ残るんですよね。すごい。

奥村組の無料休憩所&技術紹介コーナーの屋上からみた若草山。初夏の緑がまぶしい。

がっつり展示を楽しんだあとは、奈良公園を散策。鹿、かわいい。緑がまぶりい。天気がよくて、風がつめたくて、最高のお散歩日和。

公園の一角の鹿だまり。
修復中の興福寺五重塔。クレーン車が高い。
手水の場所(?)の龍が結構好きだったりします。絵馬もいろんな言葉があって見ているだけで楽しい。

その後は、猿沢の池のあたりを散歩して、晩ごはんを食べてデート修了。展示を見るか、ひたすらおしゃべりしていた気がします。自分へのお土産は、干し柿ようかん。最高でした。

以前、友だちと小旅行したときの記事はこちら。

■余談
私が大昔、空海についてざっくりした知識&イメージを知りたかったときに読んだのはこちら。

中国で翻訳されて人気な小説だということで読んだのは、夢枕獏さんのこちらの小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』。『陰陽師』のゴールデンコンビっぽい、空海と橘逸勢がおもしろかったです。まさかの、中国で映画化&ヒットとか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?