母のために買いました。『「てんかん」のことがよくわかる本』中里信和
元気だった母が、昨年末に突然倒れました。でも、前後の記憶がない以外はいたって健康。なのに、ときどき記憶がとぶらしいので、大きな病院で入念に検査した結果、老人性の「てんかん」だろうという診断がつきました。
本書は、母のために……というよりは、母の周囲の人のために大型書店で購入しました。イラストが多くて、字も大きくて、症状だけでなく、薬についてもくわしく書かれていて、わかりやすかったからです。
一般的に「てんかん」というと、突然意識を失って倒れたり、全身こわばったり、けいれんしたり、そんなイメージがあります。でも、人によって他にもいろんな、千差万別の症状があるのだとか。
例えば、ある「てんかん」の症状は、身体の一部が勝手に動くだけ(意識があってもコントロールできない)とか、ふつうに話していたのに、突然意識を失ってすべての動きが止まってしまうことがあるそうです。でも、すぐに回復して、意識を失っていた間のことは覚えていない。
それから、ある一点をずっと見つめたり、突然口をもぐもぐさせたり。中には、意識がはっきりしないまま、ウロウロ動き回ることもあるそうです。これも、少ししたら正気に戻るそうです。
他にも、しびれなど身体的違和感とか、気持ちが悪く胃のあたりがムカつくとか、視覚、聴覚、嗅覚などの異常が怒ったり、不安感や恐怖感に襲われるという発作もあるなんて、ちょっと驚きです。幼児から老人まで、人口の1%に「てんかん」がみられるというのも、本書で初めて知りました。
「てんかん」は、基本的には生活に支障がないので、もしも身近な誰かが突然倒れたら、まわりの危険物を遠ざけて、様子を見るのがベスト。押さえつけず、口に何か噛ませるのもダメ。多くの発作は3分以内におさまるので、横向きに寝かせて、意識がはっきりしないうちは薬を飲ませたらダメだそうです。
倒れない発作なら、安全を確保しつつ回復を待って、ときどき声をかけたり、ウロウロ歩いているときには無理に止めず、見守るのが大事。そして、現代の「てんかん」は薬と手術でほぼ治るそうです。
高齢者の「てんかん」の場合、発作症状はけいれんを起こさない意識障害、失語、麻痺などが多く、「てんかん」と気づかれないことが多いので、まずは「てんかん」と診断されることが大事。そして、あとは薬で発作を防いで、ほかの病気と調整しながら治療するのがベストだそうです。
非常事態宣言のおかげで、帰省もままならないので父や弟夫婦に頼るしか無い母の世話ですが、ようやくワクチンも2回打てたことだし、仕事が一段落したらPCR検査を受けて、ちょっと様子を見に行きたいです。