飲食男女。映画『恋人たちの食卓』台湾・アメリカ、1994年
もう20年以上前になるけれど、映画館で見て、パンフを買って、とうとうDVDも購入。何度繰り返して見てもじんわりしてしまう。リー・アン監督の作品の中でも一番好き。風邪でぼーっとしている週末は毎日のようにDVDプレーヤーのスイッチを入れる。
舞台は台北。台湾で一番有名なホテルの料理長と彼の3人の娘達の物語。
頑固で不器用な父親と堅物教師の長女、美人でキャリアウーマンの次女、自由で芸術系らしい三女が毎週豪華な食卓を囲んで、食事と恋愛と家族模様を繰り広げる。李安監督らしい繊細でユーモラスな人間ドラマと華麗な中華料理の数々が織り成すドラマ。冒頭、料理を作る場面だけでも圧倒される。
私が好きなのは、父といつも衝突する娘が、BFの家の台所で料理するシーン。家でやらせてくれないと父親への不満と反発をもらしつつも、父親と同じようにBFに豪華料理を強制する次女。そして、父とはケンカばかりなのに、父の同僚とはとても親しく娘らしく振舞える次女。父の同僚は「お父さんを責めちゃいけない。私と同じおいぼれなんだから」と諭すシーン。
当時3才の娘もこの映画が好きで、「あ、もうじきおばちゃん倒れる!」とか言いながら喜んで見ているw
最初に見た時、ラストシーンの意味がわからなかった。
けれど、パンフレットの陳健一氏の解説を読んだら納得。そして、ラストシーン以外にもこの映画について、いろいろなことがわかった。日本人ではイッセー尾形氏みたいなベテランの役者や、わかぎえふ氏のような映画や芝居に造詣の深い人のエッセイも載っているけれど、餅は餅屋。残念ながら、陳氏の経験に基づいた言葉には及ばなかったみたい。
邦題:恋人たちの食卓
原題:飲食男女
監督 :アン・リー
上映時間 123分
製作: 台湾・アメリカ(1994年)
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