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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#アメリカ

テクノロジーと人間味のSF的疾走感。『マン・カインド』藤井太洋

久しぶりに一気読みした小説。さすがの藤井太洋作品です。おもしろすぎて、とまりませんでした…

夕遊
9日前
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今年必読の1冊。『台湾のデモクラシー メディア、選挙、アメリカ』渡辺将人

今年は台湾の選挙イヤー。そのおかげか、昨年、一昨年と台湾関連の良書がたくさん出版されて、…

夕遊
4か月前
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ファンタジーと歴史とSFと。ケン・リュウ『母の記憶に』古沢嘉通他訳

有名すぎるくらい有名なケン・リュウの小説。これまで、なかなか時間とタイミングがなかったで…

夕遊
6か月前
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旧日本軍から公安警察、内閣調査室、NSC(国家安全保障会議)まで『日本インテリジェ…

帯のキャッチコピーは「「国家の知性」の暗闇でたどる戦後75年の秘史」。インテリジェンスと…

夕遊
2年前
25

日本人はずっとアメリカが好き。『戦前昭和の社会 1926-1945』井上寿一

大正デモクラシーが終わった後の暗い時代。それが、戦前の昭和に対する私たちのイメージです。…

夕遊
2年前
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イメージ戦略が「事実」として歓迎された話。『日本の古都はなぜ空襲を免れたか』吉田…

京都や奈良が文化都市だったから、空襲がほとんどなかったという話は、たまに聞きます。昔ほど…

夕遊
2年前
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海を超えた一億四千万冊の本『戦地の図書館』モリー・グプティル・マニング

戦争は、攻める側と攻められる側がある。「戦地の図書館」というと、攻められている側が、苦労して本を確保したような印象を受けるけれど、この本のもともとのタイトルは、“When Books Went to War : The Stories That Helped Us Win World WarⅡ” 戦地に送られた本。私たちの勝利に役立った本の物語。 ハードカバーをひらくと、最初から衝撃的な本を焼く写真が掲載されています。ナチスがやった「有害図書」を燃やす写真。ナチス時代、「ち

アメリカ人記者の中国大冒険。『モルモットをやめた中国人』カール・クロウ

清朝末期から1937年までの約30年といえば、中国も日本も、そして世界も激動の時代。中国…

夕遊
3年前
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香港青春グラフィティ。『I AM JACKIE CHAN 僕はジャッキー・チェン』

香港の映画の歴史を少し知りたくて、読んだジャッキーの自伝です。分厚い本の大部分が、ジャッ…

夕遊
3年前
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数奇な運命を歩んだ、幸運な才能。『エリック・ホッファー自伝』

エリック・ホッファー(1902-1983)は、アメリカの社会哲学者で、もと港湾労働者。NYのブロ…

夕遊
3年前
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ユダヤ教の文化とミステリーの組み合わせがうまい。『水の戒律』フェイ・ケラーマン

本書の事件は、アメリカの閉鎖的なユダヤ教正統派のコミュニティで起こります。 私はこの本を…

夕遊
3年前
8

こんなハイジャックがあるなんて!?『シャドー81』ルシアン・ネイハム

ロサンゼルスからハワイに向かっていたジャンボ旅客機が、無線で驚きの通告を受けます。なんと…

夕遊
3年前
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猫&ミステリー小説のパイオニア。『猫は手がかりを読む』(ココ&ヤムヤムシリーズ)リ…

猫好きには超おなじみのシリーズ。古典的な名作といってもいいかもしれません。その後、猫がか…

夕遊
3年前
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イギリス小説と映画から読む「階級」。『不機嫌なメアリー・ポピンズ』新井潤美

「○○から読む映画」、もしくは、「○○から読むイギリス」(アメリカ、日本...etc.)っていう本は、これまでの経験から、私には合わないと相場が決まっていました。なぜかというと、著者の中にある事実(もしくは固定観念)を説明するために、映画なり小説なり、エピソードをつぎはぎする場合が多くて、最初はちょっとおもしろくても、ページを読み進めていくうちに都合の良いネタがなくなって、個人的経験を繰り返したり、こじつけエピソードが出てきたりするからです。 でも、この