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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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2022年4月の記事一覧

「世界の工場」だった頃の中国のお話。『中国貧困絶望工場』アレクサンドラ・ハーニー

元フィナンシャル・タイムズの中国特派員が、「世界の工場」の中心部、中国広東省のいくつかの…

夕遊
2年前
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価値観をドライブさせられる感じがいい。『チョンキンマンションのボスは知っている』…

重慶大厦(チョンキンマンション)といえば、一人旅が好きな人なら知っている香港の有名な場所…

夕遊
2年前
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岸和田藩の元藩主のお話。『評伝 岡部長職』小川原正道

サブタイトルは、「明治を生きた最後の藩主」。岸和田藩の最後の藩主になった岡部長職(ながも…

夕遊
2年前
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本場中国よりもファンが多い!?『三国志と日本人』雑喉潤

日本人でも知っている中国の『三国志』という物語。中国では正式には『三国志演義』とよばれて…

夕遊
2年前
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古代史をガッチリ楽しめるファンタジー『銀の海 金の大地』氷室冴子

中学時代に発見した氷室冴子作品。高校時代以降、ずっとリアルタイムで読んでいました。20代…

夕遊
2年前
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子どもたちは巣立っていく。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』2、ブレ…

先日読んだ、ブレディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』がすごくよ…

夕遊
2年前
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海の向こうの中学生ライフ。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

すごく詩的なタイトルなので、どこから出てきたのだろうと思ったら、なんと中学生になった息子さんが書いたブレーズなのだそうです。 子どもは、自分たちがマイノリティたど思えるような環境で生活していたり、両親が大変な状況だったりすると、時々、どきっとするような大人びた顔をします。みかこさんの息子さんも、小学生のときにはわからなかった、アイデンティティについて考えるようになる。そんな、イギリスの中学生生活が綴られています。 日本人からすると、あまりにはっきりしすぎている階級社会のイ