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まぶたがくっついたら、ようやく子どもの今日が終わる

わが家の消灯は、だいたい21時くらい。

せまいアパートに、大人と子どもで住んでるので、子どもの就寝時間に合わせてうちのなかの電気を消すことにしている。
この就寝時間は5歳のもの。うちの5歳は何年も前から、これより早くには基本的に寝ない。
だからもう、寝かしつけないことにしている。疲れちゃうからね。大人も子どもも。


0歳は、24時間気ままに寝たり起きたりしている。
外の暗さと明るさはわかるからか、夜は授乳が終わったらさくっと寝てくれることが多い。

それでも、生後3ヶ月を前にして、だんだんと置かれたままでは寝なくなってきた。
むしろ「抱っこからおろされてなるものか!」と必死に訴えてくる。

今はまだ抱えて揺れてればそのうちすうっと寝てくれる。体重も5kgちょっとなので、どうにかなってる、んだけど。
このままいくとキツくなるのは、5歳の時に経験済み。ついでに、リングフィットで腕を鍛えとくと楽になるというのも。再開しよかね。


その、数年前わたしをちょっぴり悩ませてくれた5歳は、今は自分でお布団にごろんと横たわることができる。
ただし、おしゃべりは続く。頭の中にある大好きなゲームとか動画のことを、こっちの興味お構いなしにしゃべってくる。
うちは母も父もジャンルは違えどオタク。遺伝だなって思いながら怒濤のおしゃべりを聞い(たり聞き流し)たりして眠る前の時間を過ごす。

ひとしきりお話ししきったら、突然喋るのをやめて、まばたきが多くなる。
ぱちぱち、ぱち、ぱち。
そのうちそのまばたきの、幅がどんどんせまくなっていく。

せまくなってせまくなって、まつげがくっついて、それでも最後の抵抗をしてまばたきをいくつかして。
そのあと、5歳の上まぶたはようやく下まぶたとくっつく。

くっついたら、5歳の今日が終わる。


大人なら、就寝のはじまりは目を閉じるところから。
あんなに何回もまばたきする前に目を閉じちゃう。大人は基本的にいつだってねむたいから、もうまぶたが重たくって開けていられない。
でも子どもは、一生懸命に今日にいようとするんだ。

まだ、あそびたい。
まだ、お話ししたい。

最後の瞬間まで、必死に抵抗して。
まぶたがくっついて、そうしたらやっと、体も心も休める。


今日もたくさん遊んだね。
明日もまた、たくさん遊ぼうね。

おやすみなさい。いい夢を。


おしまい

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