恋愛中毒 著:山本文緒
水無月美雨の執念の女の話。元受刑者である恋の拗らせ女の狂気を温かく描き切っていた。両親との軋轢も、離婚した夫の話も最後の最後に取ってある。
かなり書き込まれた因数分解のされてある話しだ。創路功二郎と言う売れっ子芸能人に恋をした美雨はやはり、最後の最後に自分より他人を愛してしまい、その量に釣り合わない恋にヤケクソになって壊してしまう。
離婚の原因となった初婚の相手と創路功二郎の娘の奈々にした仕打ちで実刑を言い渡されるのだ。荻原が居なかったら水無月はどうしようもない生活に陥っていただろう。
女の情念と男に対する執念をこれ以上無い程に的確に著した恋愛中毒。燃えるような女の火を浴びた事の無い私には女って怖いなと、男って無責任だなと、そのくらいの感想しか書けないのだがこれで山本文緒さんは吉川英治文学新人賞を頂いたのだ。
若き日の文緒さんを垣間見た。天国でどうしてるのだろう。この書評は文緒さんに届かない。
でも、女性の心理が少しわかったような気がする。愛の剥き出しは狂気の沙汰と紙一重。
次読む本も文緒さんです。追悼になるかな?安らかに、文緒さん。
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