「責任者出てこい!」と怒られたら
よく聞くこのセリフ。まぁ責任者は私です。逃げも隠れもしません。どうもすみません。
とあるIT業界の作業で、作業者が初めての業務を行うので誰か他人が作った細かい間違いが含まれる手順書をいろいろ確認しながら慎重に作業進めていたら、作業完了予定時間を大幅に超過してしまって、日程が遅れ、予備日も使ってようやく作業を終える事が出来た。で、作業をたまに監視していた顧客の担当者から出てきたのがタイトルのセリフである。
そんな作業がおぼつかない人間を作業者に任命する管理者が悪いんだよね。なので誰か教えてください。社長達が出席する大きい会議の場でクレームを言って晒してやるからって感じの主旨です。あと未熟な作業者しか出てこないなら金返せ。見習いに高い単価を払う気はないとの事。
まぁそう言いたくなる気持ちもわからなくもないのだが、こちらも色んな事情がありましてですね。。と説明をしても理解をするつもりがない人に何を言っても無駄で「そっちの細かい事情なんて知るか。とにかく金返せ」って感じで、ヤクザな客もいたもんだと絶賛モメております。
今回は厳密には作業ミスではないんだけど、作業に関するミスは個人の問題なのか否かとヒューマンエラーが起きる度に「なぜなぜ」分析とかして、振り返るのだが、結局作業従事者個人が悪いと犯人を決めるのはみんなやりたがる。その個人が悪いと言い切れば楽だから。勧善懲悪物の水戸黄門とか遠山の金さんの見過ぎじゃね?とか思うけど。。組織の問題、システムの問題、体制の問題、等々あげればキリがなくて、考察範囲を広げれば広げる程どうにも簡単に対処出来る事が限らてきて、責任者が曖昧になって、結局誰が悪いんだって事になって、対策が打てなくるし、何に対して謝罪すれば良いのかこちらもわからなくなるし、顧客もわからなくなる。
地球にコロニー落としをしたのはギレンが悪いのか。宇宙移民を推進した地球連邦が悪いのか。スペースノイドの独立を説いたジオン・ズム・ダイクンが悪いのか。
ってかそれはどうでもいいんだけど、個人に責任をなすりつけるのは簡単で分かり易いんだけど、やっぱり本質じゃないよねって話。トカゲの尻尾切りにしかならない。事故を起こした本人を今後の作業から外しても一時的には解決した様に見えるかもしれないけど、結局また別の作業者が似た様な事故を起こす。根本的な問題は解決しないと。でもその問題は一つではないんだな。あらゆる関係する事を地味につぶしていくしかないんだろうな。という事を理解させてくれる本が以下。
色んな航空機事故と医療事故と主に取り上げながら、いかに事故を減らしていくのかを解説した本。例が豊富で、ストーリー仕立てで読みやすく面白い。原題は「Black Box Thinking」なので科学ではないんだけど。。
自分の業界でも取り入れていきたい。もう「なぜなぜ」分析やるの辛いし、飽きたし、説明できる対策をネタ尽きたしね。。でも未だやってるという事は自分の組織が本質的に学んでなくて、対策を実行できていないんだろうなぁ。。
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