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『精神科の先生は第二のお父さん』

精神科が嫌いだった

私は何年も精神科に行く事を渋っていた。

精神科という場所に苦手意識があった。

行ったら負けそんな気がしていた。

行ってしまったら弱い自分を認めてしまう。

まだやれる。

自分の中で日々そんな感情が戦っていた。

精神科に行くのは負け、だったら負けでいい

自分の中で限界を迎えていた。

日々生きるのが辛い。

死にたい。

それしか考えられなくなっていた。

そんな時もう負けでいいやと精神科に行く事にした。

私は小さい頃から、完璧でいなくちゃいけないそう思っていた。

努力家で弱音を吐かない母に、勉強も仕事も家事も全て根性でこなす父。

2人の存在は私にとって憧れで、目標だった。

私はそうはなれなかった。

とても弱い存在だったのだなと思い知らされた。

精神科に通いたくなかった

初めて精神科に行った時は、自閉症スペクトラムの診断を貰った日。

その時は精神科に来たというより、診断をしに来たという感じだった。

とくに私の悩みを話したり、先生に助けを求める事はなかった。

最低限、やる事だけをやるそんな感じだった。

次に来た時は、私が先生に助けを求めていた時だった。

最初は本音で話せなかった。

先生に気を使いながら小さな嘘も交えながら、母の気も遣い話した。

すごく疲れてもう行きたくないと思った。

薬も飲みたいないし、話しても何も変わらないのに何しに行くのそう思っていた。

精神科の先生は第二のお父さん

薬をやめて、副作用が無くなったせいか体調がよくなった。

だけど、精神の波は相変わず激しくて死にたくなって遠くに行く事が増えた。

何日も家に帰らないことも増えた。

そんな時、1ヶ月に1回になった通院の日が来た。

今日も特に先生に何か助けを求める気はなかった。

はやく終わらないかなそれくらいの気持ち。

ヤケになってた私は、いい子になるのをやめて嘘をつかず先生と話した。

「最近なにしてた?」

という先生の言葉に、私は

「友達んちで宅飲みしてた」

と答えると先生はすごくビックリしていた。

「それは、男の人?女の人?」

動揺した様子で聞くので正直に、

「男の人」

と答えると更に動揺していた。

「え、え、」

動揺してる姿が面白くて先生に好きな人ができた事を伝えた。

そしたら先生はボールペンを飛ばしてびっくりしていた。

「ごめんね、本当は根掘り葉掘り聞いちゃいけないんだけど、お父さんみたいに気になっちゃってね」

私は、なんか少し嬉しかった。

私の父は、私に興味が無い。

だから、お父さんに興味を持たれたかった。

精神科の先生は本当のお父さんじゃないけど、お父さんみたいな人だ。

なんか少しだけ精神科が好きになった。

すごく単純な事だけど、第二のお父さんの存在がとても心の支えになった。

また、話にきたいな。

次はなんの報告しようかな。

次の通院の日が楽しみなった日だった。

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