2/17日記「2メートルの棒」
今日はライブだったので、
コントで使う小道具の
2メートルくらいある棒をもって家を出た。
さっそくお隣さんの
二階ベランダに干してあるブラジャーが引っかかった。
「ちゃうんすよ!」
「チャウンスヨ?チャウンスヨッテナニヨ」
「すみません、引っかかっただけです!」
「別ニ、ソレ捨テヨウト思ッテタカラソノママデイイヨ」
「え?いや、その、そんな、じゃあまぁあざすっ!」
たまたま明さんの機嫌が良かったので
事なきを得たが、(ブラジャーも得た)
細心の注意を払って渋谷まで行かなくてはならない。
さすがに注意深く歩いていたので
大きな問題は起きずに渋谷に着いた。
「おろしてくれ〜」
遠くから声が聞こえる。
「おーい」
声の方を見ると
腰の曲がったお婆ちゃんが
棒の先に引っかかっていた。
カーディガンの後ろ首の部分が引っかかっていて
腰が曲がっているので
すごい腹筋があるみたいな体制になっていた。
「恥ずかしい恥ずかしい
腹筋のトレーニング中みたいになってるでしょこれ?」
「なってます笑、ほんまにすみません。すぐおろします!」
「うんうん、はーい、待ってるねぇ」
お婆ちゃんをおろすと
千円請求された。
いよいよ劇場に到着する。
「おろしてくれ〜」
さっきのお婆ちゃんがまた引っかかっていた。
「恥ずかしい恥ずかしい
腹筋のトレーニング中みたいになってるでしょこれ?」
2回目なので全く面白くない。
謝罪だけしてお婆ちゃんをおろすと
千円請求された。
本番直前
棒を見てみると
同じお婆ちゃんが引っかかりながら
千円欲しそうな顔をしていた。
多分このお婆ちゃんは確信犯だ。
腹が立ったので無視して
そのまま舞台にセットしてやった。
お客さんはお婆ちゃんの方しか見てなかったので
全然ウケなかった。
くぅ。
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