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トーゴー

泣き過ぎた。
始まってすぐから終わるまでずっと泣いてて、さすがに体しんどくなってきて早く終わって欲しいとさえ思った。

ウィレム・デフォーとハスキー犬の組み合わせに興味津々で前から気になってた作品。1925年、犬ぞり師とそり犬のリーダーであるハスキー犬トーゴーの実話を元にしたお話。

私は飼ってはいないが犬が大好きで、というか柴犬とハスキーが特別大好きで。生き物全ての中で1番好きと言っても過言ではないくらい好きで。
幼い頃、実家で柴犬をを飼っていた事がある。家の前に倒れこんでいた柴犬を父が介抱してそのままうちの子になったという、少し特殊な出会いだった。その事がきっかけで柴犬は特別好きなのかもしれないが、ハスキーはなんでだろ…フォルムが似てるから?よくわからないが、道で遭遇すると胸が締め付けられるくらいグッときてしまう。可愛いという感情を遥かに超えて切なくなってしまうほどで、前世で何かあったのか?と思ってしまうくらい(笑)とにかく好き過ぎる。

今から一年くらい前、本気で飼うことを考えて本を買って勉強したり保護犬について調べてみたりペットショップで抱っこさせてもらって話を聞いたり、本格的に動いていた時期がある。家に犬がやってくることを想像しただけで心が躍った。でも、結局飼うことはしなかった。環境は十分整っているんだけど、家の中に命が一つ増えてその命を責任持って育てなければいけないという重圧に勝てなかった。迎える前から死んでしまった時のことを想像しちゃったりもして、あぁ耐えられないわ無理だわ、と。

ある時ペットショップで抱っこさせてもらった時、店員さんに「今日連れて帰ってあげて下さいよ〜でないとこの子すぐ売れちゃいますよ」と言われ、命舐めんなよと思った事がある。そう簡単に決めていい事ではないはずだろうと。あの時はショックで色々考えちゃったな。仕事とはいえ、あんな軽々しく命を売ろうとするなんて信じられなかった。

映画の話から逸れてしまったけど、私にはこのような犬遍歴がある。だからなのか、本作は沁みて沁みて仕方がなかった。

動物が関わる作品の殆どに言えることかもしれないけど、犬たちは誘導されて演技してるかのように見えるという仕組みで、それがリアルじゃないところに少し引っかかってしまうのが私の中の動物映像作品あるあるになっている。でも、本作は違った。デフォーもトーゴー役のハスキーも心の底からお互いを求めているのがバシバシ伝わってくる。もやはドキュメンタリー映画だ。

モデルになった犬ぞり師のレナード・セパラ本人とデフォーが瓜二つと言っていいほど似ているし、トーゴー役のハスキーはトーゴーの血を引いた子孫であったりと、運命的な何かを感じてしまうから余計に泣けてくる。

この映画を観て、やっぱり犬が大好きだと実感したと同時に、あの時飼うことを諦めたのは正しい決断だったと改めて感じさせられた。
いつか家に迎え入れる覚悟が出来る日が来たらいいな…。

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