エンジニアリングを組織にどう活かすか
おはようございます 渡辺です。週末は、地元のビール祭りに参加してきました。3年ぶりの開催で懐かしい人とかにも会えたりしたのが良かったですがこのようなイベントは多くのボランティアで成り立っているんだなと改めて認識しました。
という訳で、2日間とも外出していたので殆ど本は読めなかったのですが、先週読んだ「エンジニアリング組織論への招待」- 広木大地 を紹介しようと思います。
この本は、LinkedInで知り合い(非エンジニア)の方が紹介してのをきっかけに、柴田CTOにこの本知ってる?と尋ねたところ、「前に年末の課題図書に柴田さんと富田さんで偶然被って読んだ」という話を聞いて、がぜん興味が沸いたで読んでみました。
エンジニアリングを組織にどう活かしていくか
本のタイトルから「エンジニアの組織をどうつくるか?」みたいな本なのかなという印象を受けつつありますが、どちらかというと、エンジニアリングというのを組織にどのように活かしていくか?のような本になっています。
例えば、chapter1は、「思考のリファクタリング」というタイトルになっています。「リファクタリング」と聞くと余りなじみがないかもしれませんが、
でして、「思考のリファクタリング」とは、ある問題が発生した際、頭の中で考えるプロセスから無駄を排除し、明確な実行(行動)が行るようになるものです。
また、エンジニアリングとは何か?ということですが、曖昧な状態から「具体性・明確さ」を増やす過程のすべての行為という事です。
例えば、お腹がすいて「何か食べたいな」とキッチンに立ったとします。この状態では、「何を食べたいのか」曖昧ですが、自分が今食べたい気分だったり、冷蔵庫の中身だったり、次の予定までの時間だったり、そのような制約条件もうけながら、最終的に目の前に料理がある状態を「実現」することとなります。
最初の「何か食べたい」の状態から具体的に目の前に「料理」がある状態にもっていくことという訳です。
如何でしょうか?「エンジニアリング組織論」興味沸きましたでしょうか?
それでは、今週もよろしくお願いいたします!
「曖昧」とは何か?
おはようございます 渡辺です。今日はなんか寒いですね。朝からフードを被って仕事してます。
昨日は、「曖昧」な状態から「具体性・明確さ」を増す過程がエンジニアリングということでしたが、今日はこの「曖昧」とは何か?ということについて掘り下げてみようと思います。
「曖昧」な状態とは、「不確実性」の高い状態と表現されています。そしてこの不確実性とは「わからないこと」によって生じます。さらに、人間にとって「わからないこと」とは、「未来」と「他人」です。
未来
未来のような不確実性を「環境不確実性」と呼び、行動と観察により確実になってきます。
他人
また、当り前のような話ですが、他人は自分とは異なりますので、自分の考えが正しく伝わるとは限らず、仮に正しく伝わったとしても思ったように行動するとは限らないです。このような不確実性を「通信不確実性(コミュニケーション不確実性)」とよび、この不確実性を低減するには、コミュニケーションをとるしかないです。
「実現」する手段
人間は、「わからないもの」は怖いので、それに向き合うと「不安」になります。しかしながら、その「不安」を乗り越え、少しでも不確実性を減らすことが「実現」する手段なのです。
プログラミングでも、BPOでも、長期のプロジェクトとなると、最初の頃は、不確実性が非常に多く不安になるのですが、実際に手を動かしたり、関係者とのコミュニケーションを密にとっていくことで、少しづつその不確実性が少なくなってきて、実現が見えると大分安心してきます。
一通り、準備が終わり「大丈夫だろう」とは思うのですが、本番前はやはり想定外のことが起こるかも?という不確実性があがり、「不安」になりますが、無事「実現」が終わると「安心」します。
そういう意味では、プロジェクトというのは、一種のエンジニアリングなのかもしれませんね。それでは、本日もよろしくお願いします!
人は正しく事実を認知できない
おはようございます 渡辺です。昨日は、「不確実性」について考えました。今日は、「人は正しく事実を認知できない」ということについて掘り下げてみようと思います。
例えば、「雨が降った」という事実に対し、人が頭の中で認識することを「認知」と言います。雨が降ったという事実があるだけなのに、何か憂鬱になったり、嫌な気分になったりする。雨を待ち構えたいた農家の方だと嬉しくなったりする。それが認知です。
事実に対し、自分の認知は歪むものということを予め認識しておく必要があります。まずは、有名なイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの人間の錯覚の「4つの『イドラ』」を紹介します。
種族のイドラ:人間が本来もっている性質から生じるもの。
ex.「遠くにあるもは、小さく見える」「暗い場所ではよく見えない」
洞窟のイドラ:取り巻く環境から、外の世界を知らずに一般的と考えてしまうもの。
ex.「自分がそうだから、皆もそう」「我が家では目玉焼きには醤油だから、それが普通」
市場のイドラ:言葉の不適切な使用から生じる誤解や偏見
ex.「噂話を信じてしまう」「フェイクニュースに騙される」
劇場のイドラ:伝統や権威を無批判に受け入れてしまうもの。
ex.「社長が言うのだから、間違いないだろう」「〇〇協会推薦」
他には、20世紀の精神科医アーロン・ベックの「認知の歪み」もあります。
ゼロイチ思考:「いつも」「みんな」「絶対」みたいな言葉で分断してしまうこと
一般化のし過ぎ:「エンジニアは〇〇だ」みたいに、主語が大きい表現
すべき思考:「大学卒業したら、就職しなければならない」のように強制を促してしまうもの
選択的注目:「フィルターバブル」ともいわれたりする、自分の興味関心のある情報が溢れてしまう
レッテル貼り:「男だから、〇〇だ」など一般化のさらに加速したもの
結論の飛躍:「レスが無い=怒っている」のような先回りのし過ぎ、短絡的な結論への結びつき
感情の理由付け:「好き、嫌い」などの感情を根拠に自分の考えが正しいと判断してしまうもの
このような認知の歪みを理解しつつ、その影響を極力少なくしていくということが、いわゆる論理的思考につながっていくことになります。それでは、本日もよろしくお願いいたします!
人間の推論の方法
おはようございます 渡辺です。今朝はいい天気ですね!久しぶりに、ベランダの植物に水をあげました。昨日は、「人は正しく事実を認知できない」ということについて考えましたが、今日は人間の推論の方法について考えてみます。
この仮説法を実行する方法こそが、「PDCA」サイクルになります。
「PDCA」自体が広く知られた分、「P」の計画で何を「仮説」とし、何を「検証」するのが漏れてしまうことがあります。そういう意味では、PDCAのポイントは以下になるでしょう。
PLAN:データを元に仮設を立て、それを検証するような実行計画を立てる
DO:実行計画に基づいて、実行する
CHECK:結果を元に仮説の検証を行う
ACTION:仮説の検証結果を元に、次の仮説検証につなげる
それでは、本日もよろしくお願いいたします!
コミュニケーション不確実性
おはようございます 渡辺です。引き続き今朝もいい天気ですね!週末も天気がよさそうです。
さて、「エンジニアリング組織論」最終日は、あらためて、「通信不確実性(コミュニケーション不確実性)」について考えてみます。社会学者のニクラス・ルーマンによると、人間のコミュニケーションの不確実性は3つの不確実性から来ているようです。
要は、前述の通り、「他人は自分とは異なる」ということに落ち着くのですが、これを前提条件として、いかにコミュニケーション不確実性を減らすかというのが、重要になります。ここで「ハンロンのカミソリ」という言葉を紹介します。
お互いの情報伝達が不完全であるがゆえに引き起こされた問題を、悪意のせいにするなという事です。
例えばお願いしたことをやってくれなかった時に、意図がきちんと伝わっていなかったりすることを棚にあげて、相手は自分を嫌っているのではないかとか考えるのはやめようということですね。
もう一つ、「自分にとっての正解が全体にとっての正解にならない」という事があります。経済学で「レモン市場」という言葉があります。レモンのように購入後切ってみてはじめて品質や価値がわかる商品が取引される市場では、粗悪品が出回ることにより、取引金額が低下し、強いては誰もレモンを買わなくなり、市場自体を崩壊してしまうというものです。
「売れれば良い」では、市場全体に良いことではないということは、意外と身近なところでも発生しそうです。
これらのコミュニケーション不確実性による寓話、「カレーづくりの寓話」が紹介されていましたので、こちらも良かったら見てみてください。
それでは、今週もあと1日。今日は、第1回月刊OCやCxOアワーもありますね。本日もよろしくお願いいたします!
(2022.10.17-10.21)
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