【書評】『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』今、一番欲しいものは……
「何もしない」
そんなこと、できるわけがない……
どうしてだろうか。
私は、知らず知らずのうち、何かに怯えていたのかもしれない。
「何もしない」なんて、プーじゃないか。
プー……
たしかに、プーは「何もしない」が仕事のようなものかもしれない。
しかし、世のプーは、「何もしない」に正義を振りかざす。
あいつか、そんなこと言ってるのは!?
最高の何かにつながる……?
最高じゃないか!
気がつけば、毎日の仕事に追われ、日々の生活に追われ、心にアソビがまったく無い状態が続いている。もっとユルユルに、グラグラにアソビを作るべきなのだろうか。
『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣(以下、整理ができる人)』の著者 大村さんは、「『何も予定を入れない日』という予定を作る」と書き記している。
「予定を入れない日」の予定を入れるなんて、今まで考えたことがなかった。目から鱗というよりも、目から驚きのビーム状態だ。
基本的に、日頃からとくに予定を入れるという考えが希薄である。勝手に入ってくる予定に翻弄される毎日なのだ。
明らかに仕事のできない人間の所業である。
「空間という上質なモノを置く」と考える
『整理ができる人』の書籍には、上記のように書かれていた。たしかに、整理整頓された場所に居るだけで、「空間」そのものに癒される。
何だかわからない高級な商品を扱ってそうなショップには必ずといっていいほど、無駄っぽい「空間」がある。
ずっと「無駄な空間」だと思っていた。しかし、間違いだった。「空間」は「上質なモノ」だったのだ。
そう考えると、ヴィトンよりもエルメスよりも上質な「空間」というモノが欲しくなってきた。空間こそ、最高の何かを生み出すのだ。
そうに違いない。
こんな、4畳程度の汚部屋に居ては、何も生まれない。
まずは、整理整頓だ……
挑戦を前に、誠に残念なお知らせをしなければならない。
どうやら私、整理整頓ができない家系らしく
遺伝的アルゴリズムにより、現在の我が家……
本来なら共用スペースであるはずのリビングが荒れまくっているため、くつろぐスペースすら無いのだ。
そんな遺伝なんてあるはずがない!
そう思うのも理解できる。しかし、あなたの常識で考えてはならない。じつは私の母や姉も片づけが苦手だった。物がどんどん増えていくさまを間近で見て、日々驚愕している。
そもそも……
整理整頓ってなに?
気になったので調べてみた。
母だけでない。姉は我が家に不法投棄する不届き者だった。少し前には、不要になったシミだらけの古い着物や帯を大量に持ち込んできたのだ。
要らないものを分類し、実家に(処分のために)置く。整理整頓?何かが違う気がするのは私だけだろうか?そして、その不要な物をありがたがる母。どうすんの?状態だ。
「捨てればいいのに!」
完全に馬の耳にナンマイダーである。聞いちゃいねぇ!
そんな遺伝子を受け継ぐ我が子。
昨夜、強盗に入られました
とまでは言わないが……
我が家のリビングの状態を見てほしい。
強盗に入られた状態よりは、ほんの少し、おちょこ1杯分くらいマシかと思われる。ほぼ全部、息子の所有物で埋め尽くされているのだ。
息子は、全部「要るもの」と言い張る。
私はもう、10回以上iPad(写真右下)を踏んでいるだろう。ちなみに、こたつの真中が、彼の勉強スペースになっている。
要るものを「使いやすい場所」に置いているとのこと。彼にとっての整理整頓が成立していた。これが、共通テスト当日の状態だ。
「共通が終わったら片付けるし」
その言葉を信じているわけではないが、共通テストが終わり、無事に帰宅するまでは触らぬ神に祟りなしで行こうかと。
息子には勉強部屋(6帖)と学習机を与えているが、まったく使わない。寝るだけの部屋なのだ。むしろ、リビングのこたつで寝たいらしい。
そんな感じで、我が家では整理整頓が永遠のテーマなのだ。
片付けパパになりたい!
『整理ができる人』の著者 大村さんは『片付けパパ』らしいが、昔はそうではなかったという。私も『片付けパパ』になれるだろうか。パパと呼ばれるのは、少しこそばゆいので、『片付けパパパ』とでも呼ばれたい。
整理整頓といえば、やはり重要なのは「5S」だ。
本業がFA業界のため、「5S」についてはよく耳にする。書籍のなかでも「仕組化が必要」と紹介されていた。
片付けパパは仕組みで成り立っていたのだ。センスや遺伝子は必要ないらしい。しかし、「5S」の内容を見て、1つだけ毛色が違う内容が含まれていることに疑問を抱いたのは私だけではないだろう。
そう、4人の黒髪男性のなかに1人だけ黒縁眼鏡の金髪女性が入っているような印象を受ける。整理、整頓、清掃、清潔……なんで、「しつけ」?
美しい身、それこそが「躾」である。
ザンネン。
ここへ来て、遺伝的アルゴリズムが効いてきた。我が家は、先祖代々しつけられていないのだ。最も重要なSこそ、しつけではないだろうか。
しかし、心配することは無い。しつけは後天的なものと考える。三つ子の魂百までとはいうものの、少しずつ取り組めば大丈夫だと思いたい。ただの願望かもしれないが。
現に、著者の大村氏も片付けられなかった人なのだ。何かの習慣と結び付けることで、仕組み化したことは間違いない。
まずは自室の整理整頓から、少しずつ取り組んでみたいと思う。もちろんラスボスは、リビングだ。
空間という上質なモノを手に入れるまで、闘い続けるしかない。
欲しがりません、勝つまでは!!
スケジュール帳の空白部分を、すべて整理整頓で埋め尽くせばよいのだろうか。まずはスケジュール帳を買うところから始めなければ。
また、物が増える予感。
そして、「何もしない予定」など入れられるはずもない。
最高の何かが生み出されるのは、まだ先になりそうだ……
『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』には、全部で50項目にわたり、片付けや仕事のコツが書かれている。どれも納得できる内容ばかりで、ぐうの音も出ない。
書籍の内容が魅力的なため、書きたいことはほかにもたくさんある。しかし、すでに3,000文字を超えているため、これ以上は差し控える。
ぜひ、書籍を手に取って読んでいただきたい。
謝辞
本書は『ツナグ図書館』を通じて、出版社のご担当者様よりご恵贈いただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
ー おしまい ー
お仕事のご依頼をお待ちしています。下記のフォームからご連絡ください。