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我が家のはじまりは、もかと共に

以前、「“もか”のお話はまた後ほど」と書きました。
その、もかについてのお話。

もかは、我が家が今の家に引っ越してきてすぐ、やってきた子です。賃貸ではなくなり、「それなら犬飼えるよね!」と意気込む息子(当時5歳)。いきものが大好きな子で、それまでも魚や昆虫を育てていました。でも、いつの頃からか犬を育てたいと思っていたようです。しかし、賃貸。これが限界なのだと、幼いながらに我慢していたのでしょう。そんな息子に、待ちに待ったという表情で問いかけられては、ダメだと言えるはずもありません。
遠方の方より、譲って頂いた犬。それが、もかでした。

もかは、柴犬とビーグルのMIXです。
顔も体つきも、柴犬とビーグルのちょうど中間。耳がたれた、でも和顔で、個性的な子。散歩の時には、「何の犬?」とよく聞かれたものです。
来た時は、乳離れしてすぐのほんの小さな子犬。でも、あっという間に大きくなり、中型犬のサイズに。しかも、食べたいだけフードを与えて太らせてしまい、重量級に……。病院の先生から注意され、ダイエットにいそしみ、標準体重に戻すのには苦労しました。
尿管結石になったこともありました。突然の血尿にびっくり。そして、手術で摘出。そのあとは専用のフードに変更となって、あまりの高額さに驚かされました。
桜の季節が終わる頃の散歩では、落ちているさくらんぼをパクパク。大好物で、どんどん食べて進まない……。散歩なんだか、食べ放題なんだか。
たまにはリード無しで走り回らせてあげたくて、貸切タイプのドッグランに行ったこともあります。でも、ウロウロ歩き、あとはのんびり昼寝。こんな遠くまで来て、くつろぐだけかよーと、親の心子知らずだったり。
もかとの生活は、楽しい日々でした。

そんなある日、ガクンと食が落ちてしまいました。
病院に連れていくと、「老化です。病気ではないので、どうしようもできません。食べられるものをあげて過ごしてあげてください」と言われました。
当時、もか14歳。
そうか、もうそんな年齢になったのか。寿命なのか……と。
確かに白い毛は増えていたけれど、でも、犬ってそんなに老けないのです。人ほど顔に老化が現れるわけでもなく、ギリギリまで元気に動けるんです。なので、まだまだ若いのだと思い込んでいました。医師に言われ、やっとその時、覚悟しなければならないのか、そうか、そうか……そうか、と。
そこからは、何が食べられるのかの試行錯誤が始まりました。
ドライフードをウェットに変更。でも、だめ。
ウェットを水でのばし、やわらかくしてみても、だめ。
ちょっと高級なフードに変えると少し食べてはくれるけど……という具合。そして、あまり良くないとは聞くけれど牛乳を薄めたのは好きで、それをあげつつ、どうにかひと月。
その間に、もかはどんどんやせ細っていきました。

2019年1月2日、もかは亡くなりました。
珍しく、家族全員が揃っていた日でした。
そしてその日は、動物霊園のお休み明け。(元旦はお休みだった)
最期の時として良い日なのだと、もかは考えてくれていたのでしょうか。
そんな気遣いがまた、寂しさを大きくしたもかとの別れでした。

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