【契約】過剰な指示に、報酬未払い!「契約」の意味とは…【地獄度 : ★★★】
帰って来た地獄!
お久しぶりです。
ライターです。
本業が忙しくて、「noteは廃業だなあ」とかぶっこいていましたが、舞い戻ってしまいました。
そう、また出たのですよ。
めまいがするような珍事が。
わりと洒落にならないレベルで……。
「業務委託」は、遂行方法に対して事業者の指示を受けない
フリーランスのライターが仕事を請け負う場合、「業務委託」という形態をとります。
つまり、「この仕事だけ受けるよ」ということですね。
継続案件になる場合でも、契約形態としては業務委託です。
業務委託と雇用の大きな違いの1つに、「事業者から指揮命令や、業務遂行方法に関する指示を受けない」という決まりがあります。
これは法律です。
違反すれば、犯罪です。
大切なことなので繰り返します。
犯罪です。
アウト!
にも拘わらず……まあ、いるんですよね。
「この記事の執筆にはこの手順に則り、この頻度・このテンプレを使った報告をし、この表でチェック。このマニュアルに沿ったやり方をしなければ報酬は払わない!」みたいなクライアント。
たいてい、「初心者を育てます☆」系案件です。
おまえが (社会人として) 育てよ、と。
えてしてこういう人ほど、「自分はプロフェッショナル」と思っていたりするから不思議ですね。
オーダーメイドに「未払い」は許されない
どこまで作業内容に含むかは難しいところではありますが、細かすぎる手順の指定や報告義務は業務委託の範囲を越えています。
ましてや、「品質の悪い納品物には報酬を支払いません」などど笑止千万。
こっちは依頼を受けて、そのリクエストに沿った成果物を作成しているわけです。
いわば、オーダーメイド。
それを「気に入らないから買わない」が通用すると思っているのか?
特に初心者のライターは、こういった文句にビビッて報酬の未払いを容認してしまうケースがあるようです。
それ、ダメなやつですよ。
ちゃんと請求してね。
成果物の「質」と「報酬の有無」は無関係
業務委託には、「委託契約」と「請負契約」があります。
委託契約は「契約の実行」に、請負契約は「納品物の完成」に対して報酬が支払われる仕組みです。
委託契約の場合は、成果物が完成に至らなくとも、それに取り組んだこと自体に対して報酬が支払われます。
時給制のアルバイトみたいなイメージですかね。
それに対して、請負契約は成果物の完成と納品に対して報酬を払う契約。
我々ライターは、こっちが主流なんじゃないかと。
いずれにせよ、「成果物の品質」までは契約に含まれません。
いえ、もちろん質の良い納品物を納品すべきです。
使えないものを買っても仕方ありませんからね。
でも、使えないからと言ってタダにしろ、はできません。
「高品質」な記事って?
そもそも、それが使えるかどうかはケース・バイ・ケースです。
誤字や文法間違いは別として、記事の「品質」とは企業の依頼目的に合致するかどうかを指します。
こっちの企業では大歓迎だったのに、あっちの企業では方針が違うというのは良くあること。
それどころか、ぼくは契約前に「これくらいの高品質な納品物を出してください」と提示された記事があまりにできが悪く、契約をお断りしたことすらあります。
価値のわからないディレクターは、FBと称して落書きするからキライ。
「どこにいっても使い物になるように指導します」なんて言ってるやつは井戸の中のカエルです。
良い子はついて行っちゃいけません。
自分の希望の形になるまでFBを繰り返し、形を整えてやるのがディレクターのお仕事です。
あなた。
あなたですよ。
「報酬を払わない」などと、ふんぞり返っている場合ではないのですよ。
「辞退」に透けて見える、クライアントの態度
もうひとつ、常々不思議に思っていることがあります。
この業界ではライターが契約解除を申し出ることを、どうして「辞退」というのでしょうか。
「辞退」とは、「へりくだる気持から命令や依頼などを受けないで引きさがること。自分にはふさわしくないとしてことわること (コトバンク)」です。
応募段階でそれを取り下げると言うならともかく、すでに契約済の仕事を「今後は受けない」と言っているだけなのに、なぜへりくだる必要があるのでしょうか。
いえ、百歩譲って、ライターが慣例として「辞退」という言葉を使いがちなのは理解します。
でもこれ、クライアント側も平気で「辞退されるんですね」などとのたまうケースがあるんですよ。
ホント、うんざり。
ライターはお仕事を「いただいている」立場であることは事実です。
でも、クライアントは「お金を出して、やってもらってる」んでしょ?
クライアント側は「契約終了」でライターは「辞退」って、おかしくないですか?
契約を交わした以上、我々の立場は同等です。
ビジネス上の取引相手であり、パートナーです。
もちろん、多くのクライアントはそれを理解しています。
でもね、あのね、うん、そうなのよ……。
「辞退」などという言葉を使うクライアントは、意識の低さが透けて見えますよね。
プロとは、ビジネスとは
どうにもこの業界は、請け負う側も依頼する側も、プロ意識に欠ける人が多い。
我々は「お手伝い」をしているんじゃないのです。
ビジネスをしているのです。
「使えないなあ」と思ったら、そんなライターに依頼した自分の目を恨んでください。
そして、使えないものを使えないまま挙げてくるディレクターの無能さを嘆いてください。
とにかく、報酬は払ってくださいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?