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適応障害かも?と思ったら

いきなりこんなタイトルで始まります。
先日、しごとセンターのストレスマネジメント講座を受講した際に良いことを聞いたので、
自分のメモとして書き残すと同時に、苦しんでる方のヒントになったら良いなと思い書いてみようと思います。

長い記事になるため、手っ取り早く診断書を貰う方法が知りたい方は
「4.診断書を貰うには」を読んで頂ければと思います。


  1. 適応障害かも…

  2. でも病院を受診するのが怖い…

  3. 診断書を貰うメリット

  4. 診断書を貰うには

  5. まとめ


1.適応障害かも…

「眠れない」「起きれない」「食べれない」「涙が出る」「死にたい」

もし今、これを見ているあなたが
こんな状態に陥っていたとしたら、
自分の状態を知りたくて、解決方法を知りたくて、検索BOXに今の状態を入れてみたことはありませんか?

そしてグーグルでこんなキーワードを検索すると、
すぐに「適応障害」という関連ワードが出てくるのではないでしょうか。


私はそうでした。
まずは少しだけ、その時の状況をお話しさせて下さい。

前職で、転居を伴う異動と昇進がありました。
東京で生まれ育った私が初めて他県へ。
仕事量は爆発的に増え、気づけば朝6時に出社し、夜11時に退社するような毎日。
残業時間は余裕で80時間越えるのに、20時間分しか申請ができない超ブラックな状況。
ついでにぽっと出の私と、もともと異動先に居た部下とは徹底的にソリが合わず人間関係は最悪。
上司に相談した所で「上手くやってよ」で終わってしまう。
そんな中で決まった結婚。
土日はコロナ真っただ中での式準備で埼玉から神奈川まで毎週のように通ったり、
同時に同棲するための家を探して、異動の引っ越しから1年足らずでまた引っ越し…

人によってはもっと大変な状況で頑張っている方もいるかもしれません。
しかし、私にとってこれらは完全にキャパシティーオーバーでした。
今振り返れば、辛いことも嬉しいはずのことも
とにかく様々なことが重なって捌ききれない程押し寄せてきて
仕事もプライベートも限界を越えていたなと思います。

コロナ渦で大好きな演劇や旅行にも触れられず、
誰かと飲みに行くこともなく、異動により同僚と離れたことで仕事の悩みを打ち明けるということもあまり出来なくなって
ストレスのはけ口が無かったことも大きかったのかな、と思います。

とにかく、寝れない・食べれない・起きれない。
口癖は「死にたい」。
食べないので特に何もせず3か月たらずで8㎏痩せました。
大の大人が出社前も帰り道でも毎日泣いてばかりで、仕事中も突然涙が溢れてきたり、激しい吐き気に襲われたり、眩暈に襲われたりして
トイレに駆け込むことも少なくありませんでした。

特に、食べることが大好きで小さい頃からどんなに体調を崩しても食欲だけはあった自分が
まさか「食べるのめんどい。もういいや」という状態になるとは思いもよらず、
ようやく「あぁ、なんか自分おかしいかも。変かもな。」と気づきました。
(泣くとか寝れないとか体調が悪いとか死にたいとかは、無意識に気合と根性と理性でカバーしようとしていたので、
私の場合は食欲の方が不調サインとして気づきやすかったです)


2.でも、病院を受診するのが怖い…


ネットの簡易診断で今の状況を調べてみれば
「適応障害が疑われます」「すぐにでも受診をおすすめします」ばかり。

しかし、自分の頭の中では
「大げさに回答し過ぎたかもしれない」
「そこまでじゃないだろ」
「自分を可哀そうがって気持ち悪い。そんな場合じゃない」
こんな声がして、画面をオフしてしまってました。

それでもいよいよ辛くなってきて、
メンタルクリニックの予約をしてみようと電話を掛けるも
どこも予約がいっぱいで取れず…
そんなときは残念な気持ちと、どこかホッとした気持ちが入り混じったような複雑な気持ちになりました。

そうこうしながら、ようやくネットで24時間受診予約ができる某有名クリニックの存在を知り受診予約をするも…
それもキャンセルし、また予約してはキャンセルし…を繰り返してしまいます。
(クリニックの方や、受診を希望していた方には本当に申し訳ないです…)

そんなことを繰り返してしまった理由は、
お医者さんに「違います」「適応障害ではありません」と
言われることが怖かったから。

実は過去に発達障害を疑われてメンタルクリニックを受診した際に
「その傾向は見られるが、診断する程顕著ではない。
あなたはもっと頑張りなさい。」
と言われたことがあったのです。

その時のショックは、ずっと忘れられませんでした。
あぁ私はナチュラルボーン駄目人間なんだ。
この状況は私が怠けているからダメなんだ。
もっともっと頑張らないといけないんだ。

今の自分から、過去の自分へ言葉を掛けるなら
「その言葉をすべて信じるな!」なのですが
その時、いっぱいいっぱいで視野が狭くなっていた自分には専門家であるお医者さんのその言葉が全てだったので、
客観的に考えることも、視点を変えることも到底無理でした。


話が少し逸れましたが、
とにかく私はまたお医者さんから
「違います」「適応障害の診断は出せません」
そして「もっと頑張れ」と言われることが
怖くて怖くてたまらずクリニックの受診に踏み切れませんでした。

本当は診断書があれば、色々と便利であるということは重々承知でした。
が、頭で分かっていてもどうしても怖くて怖くて仕方がない…。

最終的には同棲をはじめた夫に
「今の状態は異常だ」「このままじゃ本当におかしくなる」「頼むから辞めてくれ」と言われて
『結婚』という理由を盾に退職を決めたのでした。

3.診断書を貰うメリット


そんなこんなで、結局診断書を貰ったことがない私が
こんなことを書くのもなんですが(笑)
それでも、ここで診断書を貰うことのメリットを4つ挙げたいと思います。

1◆会社側へ相談する際に医学的根拠を示せる

まず当たり前のことかもしれませんが
適応障害の診断書があれば、
医学的根拠が示される為、会社の上司に相談する際も話が早いです。

専門機関が出した診断書に対して
いくら上司であれど「怠けている」などとは言えません。

仕事の量を減らして貰う
部署を変えて貰う
休職を申し出る
退職を申し出る

人により、治療の為にどのような選択をするかは様々ですが
まずは診断書があることで、こうした内容も上司に相談がしやすくなるのではないでしょうか。
特に休職を申請する場合は、ほぼ間違いなく診断書が必要になります。


2◆傷病手当が支給される

休職中は給与が支払われなくなりますが、
診断書があれば傷病手当の給付を受けることができます。

申請手続き自体は、決められた書類に記入するだけなので
特に難しいものではありません。
最長1年6か月まで受給できて、育児休暇給付金や、民間の医療保険とも併給できるので
ご家族の生活を心配して休職を躊躇っている方も
安心して治療に専念することができます。

ただ、セクハラやパワハラなどがその原因であれば傷病手当ではなく、
労災として申請する方が良い場合もあります。

3◆労災と認められる場合がある

前述したように、適応障害の原因がセクハラやパワハラである場合は
労災と認められる場合があります。

傷病手当と労災は何が違うのか。
傷病手当は「健康保険法」が根拠となり「業務外における負傷や疾病等」が対象となります。
対して労災は「労働者災害補償保険法」が根拠となり「業務上、又は通勤途上における負傷や疾病等」が対象となります。

つまりは、業務上で適応障害の原因となるできごとがあったのかどうか
という点がポイントになるということです。

労災として申請するのか、傷病手当として申請するのかは申請者次第なのですが、
一般的には休職後に復職を考える場合は労災とせず傷病手当とすることが多いようです。
確かに乱暴な言い方をすれば「自分がこうなったのは会社のせいです!上司のせいです!」と言うような形になってしまうので
なかなか復職しづらくなる感じはあるかもしれませんね(^^;)


それでも、給付金額や給付期間などの条件は基本的には傷病手当より手厚いので
よく調べた上で、ご自身にとってよりよい選択をされることをお勧めします。


4◆雇用保険の給付が早くなる

適応障害が原因で離職した場合、診断書があれば
雇用保険をすぐに受給することができます。

一般的に、自己都合退社の場合は7日間の待機期間の後
更に3か月ほど給付制限があり
その間は失業手当を貰うことはできません。

しかし、病気などの理由がある場合はこの制限が外れる為
申請後7日間の待機期間が終わればすぐに給付を受けることができます。


以上が、私が調べた上で感じた診断書を貰うことのメリットです。

4.診断書を貰うには

頭からここまで読んで下さった方がいらっしゃったとすれば
本当にありがとうございます。
診断書が欲しい!とワープして来た方もいらっしゃいませ。
お待たせいたしました。ここからが私が先日聞いたお話になります。

しごとセンターでセミナーを受けた後
講師の方に
「前職で適応障害が疑われるような状態になってしまった。
しかし以前、心療内科で言われたことがとてもショックで診断書を貰いに病院にかかるのが怖くて結局診断書を貰わなかった。
二度とそういった状況にならないようにしたいという気持ちはありつつ、もしまた似たような状況に陥ってしまった場合
病院へ行く手前でどこか相談できるところがあったりはしませんか?」
というような質問をしてみたんです。

回答としては明快に3つ。
「貰えるまでお医者さんの受診を続けて下さい」
「大げさに思えても症状をはっきり伝えてください」
「できれば東京23区内(特に銀座)のクリニックへ行って下さい」
とのことでした。


まず、1つめの「貰えるまでお医者さんの受診を続けて下さい」に関して。
心療内科の診断基準というのはお医者さんによっても変わるところなので
なかなか診断書を書かないというお医者さんも居れば、すぐに書いてくれるお医者さんもいます。
一度受診しただけでどんな治療方針を持ったお医者さんに当たるかは正直わかりません。
(私がかつて「あなたはもっと頑張りなさい」と言われたお医者さんは
つまりそういうお医者さんだっただけで、
他の所へ行けばもしかしたら違う診断が出たかもしれません。)
なので、一度行ってみて診断書が出なければ別の所で再度受診してみることを考えた方が良いそうです。

2つ目の「大げさに思えても症状をはっきり伝えてください」に関して。
自分のこととしては多少オーバー気味に思えても症状をはっきり伝えることが重要だそうです。
真面目な人ほど、自己憐憫に陥っているように思われるんじゃないかという抵抗があって
「眠れない日もありますが、でもまぁそうでもない日もあったり…」と症状をぼかしてしまったり、控えめに伝えてしまいがちですが
そこはきちんとご自身が困っているという状況を伝えて下さい。
講師の方曰く「これを言ったらあれですが…正直『死にたい』くらいのことを言っていたら大体は診断書出ることが多いですよ」とのこと。

そして最後の「できれば東京23区内(特に銀座)のクリニックへ行って下さい」。
これは、やはり適応障害とおぼしき症状で病院を訪れるビジネスマンの患者さんの数が多いからだそうです。
なぜ銀座をオススメされたのかは謎ですが(笑)
東京以外の方でも、都市部に近い場所の方が
もしかすると理解のあるお医者さんが多いかもしれませんので
参考にされてください。

5.まとめ


ここまで書いておいてなんですが
正直、あまり声を大にしていうようなことではないと思います。
あくまで、こうした話もあるよーという一つの参考意見であり
心療内科の専門家から見れば「なにを言ってるんだ」と言われてしまうかもしれません。

けれども、少なくとも私はこの話を聞いてとても安心しました。
もしもの時に自分の心と身体を守るための手段として、
心の中に切り札を持てたような気がします。
まぁ、そうならないことが一番ではあるのですが(笑)
自分一人の力だけではどうにもならないことは沢山ありますからね。


「適応障害かもしれない」
「自分はダメなやつ」
「頑張れない怠け者かもしれない」
「心療内科に行くことが不安」
少しでもそんな辛い思いを抱えている方のヒントになれば幸いです。


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