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「スマホ時間を減らす」そしたらハッピー?(そんな単純な話じゃない)

「何をやっていたのか分からない」という問題

・・・

「振り返ってみると、私、この1ヶ月何やっていたのか、分からない。」

知人と話していたら、こんな事を話していた。


「何やっていたのか分からない問題」は、多くの人が悩む問題だ。
「何やっていたのか分からない」と、「時間を無駄にした感じ」がする。
その「無駄にした感覚」に人は耐えられないんだと思う。

ただ実際は、生きているだけで、心臓は24時間動いてくれているし、呼吸もいつもしているし、身体という意味では、何もしていない事はあり得ない。

けれども、人が生きている、充実している実感については、何かをしなければ、何かをした事を確かめられなければ、充実を実感する事は難しいのだろう。

スマホに使う時間、仮想空間で過ごす時間

ビジネスインサーダーの記事によると、平均して4時間程度、人々はネットに時間を使っているという。

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ここで単純計算をして、考えてみたい。
1日は24時間である。これは誰にとっても自明の事実だ。
そこから、最低限必要な時間をみてみるとしよう。

睡眠  8時間(1日の33%)
食事  2時間(1日の8%)
仕事  8時間(1日の33%)
ネット 4時間(1日の16%)
その他 2時間(1日の8%)
合計  24時間

もちろん、睡眠時間が短い人もいるだろうし、会社でのネット時間も統計に含まれているから、単純には計算できない。

しかし、それでも実際数字として眺めてみると、1日の16%をネットで使っているという事実は見逃せない。

何も考えずに、ネットサーフィンで1日の16%を過ごしていたら、なかなか生きている実感を持つ事は難しいだろう。

何かをするために、集中する技術

何かをしたという実感を持つためには、集中して、夢中になって取り組むことが必要だ。その方法について解説した本を読んだ。

その本とは・・・?

素敵な遊びから始まる本・・・

その素敵な遊びとは・・・

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集中することについて書いた本の帯に書かれた言葉。
思わずハッとさせられた。

前置きが長くなったが、本日ご紹介したい本は、『深い集中』という本だ。
著者の井上さんは、JINS MEMEと呼ばれる集中力を計測するデバイスの責任者でもある。集中について、メガネというデバイスを使い、データを蓄積、よりより生活の為に、様々な提案をしている方だ。

「現代人の集中力=8秒」

マイクロソフト社のカナダの研究チームが2015年に発表した研究報告です。
「現代人の集中力は8秒しか続かず、これは金魚の9秒を下回る。」
これにより、「ついに人の集中力は、金魚に負けた」と話題になりました。
この研究によれば、2000年の時点では、人の集中力の持続時間は、12秒程度あったそうです。
しかし、PCやスマホの普及によって、1つのことに集中する力が落ちてきて、8秒しか集中力を持続できなくなったのです。

本書はまず、驚きの研究結果から始まる。

それは、人間の集中力は金魚以下。

はじめに読んだ時、思わず絶句しました。

しかし、スマホの普及によって、世界は変わった。

私は電車に乗るたび、人々が何をしているのか観察してみるのですが、数秒も立たないうちに、ほとんどの人がスマホを眺め始めます

そんな生活が続いていたら、目の前のことではなく、ネット上の仮想世界のことが気になり、集中力が下がる事は当たり前かもしれません。

集中+夢中=充実感

本書の中では、集中だけではなく、夢中も合わせて、人生に充実感がもたらされると言います。

今、世界で席巻しているサービスに、「Uber」「Spotify」「Netflix」などがあります。しかし実はこれら企業の、そのサービスのコアとなったアイデアそのものは、正直誰でも思いつくようなものです。(中略)しかし、それらを本当に形にするのには、相当な労力が必要です。
最初の種となるアイデア(構想)で勝負するのではなく、コアとなるアイデアを「実現したい」という理由なきやりたい気持ちを持った人が、そのコアを実現していく過程(実行)で、実現までの日々の気づきやプラスのアイデアを生み出し続けること。それのみに価値があると思ったほうがよいでしょう。それを満たす人は、「夢中で働くこと」を勝ち取ることができます。

アイデアは大切だ。
最初の一歩がない限り、物事は始まらない。

けれども、それ以上に集中して、夢中になって、何かをやった充実感を得るためには、実行していく過程が必須。

これ無しでは、充実した日々を歩む事は難しい。

『深い集中』での大きな気づきは、能動的に生きること。自ら主体的に動くこと無しでは、充実した日々=集中して、夢中になる日々を歩む事はできないということ。

だからこそ、「やらされ仕事」をいかに「じぶんのプロジェクト」として捉えられるかが重要。

スマホ時間が増えたらから、減らせばいい。そんな単純な話じゃない。

なので、充実した日々を過ごすためには、スマホの時間を減らしましょうは、答えじゃない。絶対に違う。

むしろ、もっと大きな質問、「あなたは何をやりたいのですか?」に正直に答え、地道にやるべき事をやらなければ、本当の意味で充実した日々を歩む事はできないだろう。

その積み重ねを行うことによって、

「振り返ってみると、私、この1ヶ月何やっていたのか、分からない。」

という疑問を考える事を忘れる日々がやってくる。そう思うのだ。

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