夏は日本に帰りたい
夏と言われて一番最初に思い浮かぶのは、日本の田園風景。
水が張った田んぼ。青々とした稲に、空には大きな入道雲。遠くからはセミの声。ときどき風がふいて稲がふわっと揺れる。
トトロのワンシーンのような風景。(ジブリ好きの人にはわかるはず...!)
私は、わけあって今年の春から海外に住んでいる。
海外生活と言っても、何不自由なく暮らせているし、毎日予想できないようなことが起こるので(ほんとに、日本ではありえないことが、よく起こる笑)、どちらかというととても楽しんでいるのだと思う。
ただ夏だけは、日本にいたかったな、と最近ふと思った。
日本のどこに行きたいという具体的な希望はないのだけれど。とにかく、日本の田園風景が見たい。
青い空に入道雲が浮かんでいる中、田んぼを見ながら遠くにセミの声をききたい。
少し涼しくなった夕方には、紫がかった空を見ながら、田んぼ道を散歩してしみじみしたい。
海外のビビットな生活の中にはない、あの懐かしいような、悲しいような、なんとも言えない感覚を味わいたい。
ふと思ったんだけれど、日本の夏は「楽しいことが過ぎ去っていく」季節な気がする。
子どもにとって一年で1番のビッグイベントの夏休みが始まって終わるし、お盆に親戚が大集合して賑やかになるけれどバラバラに帰っていくし、綺麗な花火も大輪を広げて散っていく...。
終わりを悟って、しみじみしてしまう。
はかなく、虚しく散っていくところに美しさを感じるのって、日本人特有なんじゃないかなと思いました。
外にでてはじめてわかる日本の良さってありますよね。ああ、日本に帰りたい...!