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アはアグリコラのア

アグリコラはすばらしい。
僕にとって特別なボードゲームである。
あまりにすばらしすぎるため、僕が何か言うような余地は残されていないように思われる。

上杉氏が訳されたこの文章にその素晴らしさが凝縮されている。

未読の方はぜひ一読されたい。
ちなみに僕は10年くらい前、「へぇ、ボードゲームっていうジャンルがあってカタンというのはその一つなんだぁ」程度の知識でボードゲームを遊んだこともないくらいだった。今となっては想像するのも難しいけれど、当時はガジェット系のニュースサイトでたまに取り上げられるくらいだったと思う。
そんなときにこれを読んだ。全く意味が分からなかった。

おそらく、はてなブックマークのリンクから飛んだのだと思う。
アグリコラ?アメトラッシュ?ユーロ?プエルトリコ?アブストラクト?ケイラス?
全く意味は分からなかったけれど、異常とも言える情熱を感じる文章に圧倒されてとりあえず一読した。
もう一度、通して読んでみたけれども同じだ。内容はほとんど理解できなかった。意味が全く分からない。

でも何かが僕の琴線に触れたのだと思う。
何が何でもここでグリクと呼ばれているゲームを手に入れたくなった。

僕は、インターネットサーフィンをし、ボードゲームに関する文化をいろいろと収集した。ボードゲームというものが(当時においても)品薄になりがちであることを学んだ。アマゾンではなぜか価格が高騰していること、ヤフーオークションというところで、中古のボードゲームが入手できることを学んだ。

最終的にそれほど苦労せずに、価格の面でもそれほど大枚をはたかずにオークションを通じて中古のアグリコラ(日本語版)を入手することができた。今思えばこれは幸運だったのだと思う。
届いたゲームは木のコマが丁寧に仕分けされていて、以前の持ち主が大切にしていたことがよく分かった。資源コマにはシールまで貼ってあった。(現在流通しているリバイズドエディションとは異なり、ワーカーも資源もすべて丸い木のディスクのものだった。でも僕はそちらの方を好んでいる、想像の余地があるように思えるのだ。)

その後、オープン会に参加したりクローズ会に参加させてもらったりすることができた。平行してボードゲームを買ったり、棚に積んだり、少し売ったり、そしてまた積んだりするようになった。
今ではあの文章に書かれていることの9割くらいは理解できるようになった。
久々に再読したけど最高だ。
お気に入りの部分を引用したいと思う。

グリクでも同じように、俺はただ農場を作り上げることに時間を使うことができる(アークで金を集めて銃を買うみたいにだ)。でも、 冬 が や っ て く る (この言葉聞き覚えある?)。そしてどうやっておまんまを食卓に載せるかを秋の収穫までに計算できてなけりゃ、何もかもおじゃんだ。マジに怖いんだ。いい意味で。うん、たしかにこれは混喩だ。でもマジな話なんだ。これは実際に起こってることをよく表してるよ。

 I was game なぜ俺のようなアメゲー厨が『アグリコラ』を愛するのか

自分が扮する農民が飢えてしまわないように、冬になるまでにじゅうぶんな食料を確保しなくてはならない。確保しなくても死ぬわけじゃないけれどそのプレッシャーは根源的なものに近くて、本当に怖い。

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