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むかし書いた韓国コラム #86

 大邱のご当地グルメに「ヤキウドン」がある。大邱を訪れた際に試してみた。大邱市内の中華料理店ならどこにでもあるとはいうが、初めてなので名店と呼ばれる店で食べたい。調べると地下鉄中央路駅近くの中和飯店が元祖らしい。路地を入って見つけた店には店名の下に「元祖ヤキウドン」の文字が書かれている。

 名前こそ日本の焼きうどんと同じだが、料理自体は韓国風、というか中華風だ。エビとイカと野菜をうどんと一緒に赤くて甘辛いたれで炒めた料理で、中華風なのは中華料理店で開発されたため。30年ほど前に中和飯店で開発されたものが、現在では大邱市内の中華料理店には必ずあるという定番メニューに成長した。春川のタッカルビや安東のチムタクなど全国区のメニューに発展したご当地グルメもあるが、まだまだ地方に埋もれているメニューも多い。こうした隠れたメニューを発掘するのも地方旅行の楽しみのひとつだ。

【解説】
 ちなみに大邱ではヤキウドンと名前が似ているカキウドンというものも見つけた。これも日本語由来の名前だが、もとの名前は「かけうどん」で、韓国で一般的に「ウドン」として食べられているものと同一のもの。このほか慶尚南道宜寧では「ソバ」が日本語そのままの名前で地域の名物料理になっている。

(初出:The Daily Korea News 2013年6月3日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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