『ワンダリング・ノート』 Episode.9
『・・・の世界には、私達の興味を引くような、様々な景色が広がり・・・ボソボソ・・・』
「テレビの音量が小さくて、聞こえないな・・・」
「お腹がすいた・・・今朝は何を食べようか・・・」
「おや・・・もう、用意してある・・・」
:おはよう、 お兄ちゃん! 今朝はスクランブルエッグだよ!
「え?」
「・・・またか、毎朝同じメニューで飽きてきたな・・・」
:ひど〜い!! 自分で食べたいって言ったくせに!! もう作ってあげないからね?
「いや、ごめんよ。そうか・・・僕が食べたいって言ったのか・・・」
:わかればよろしい。それより、何だか面白そうなテレビ番組やってるね。鏡の・・・世界だって。ファンタジーみたいだね!!
「ああ、確かにファンタジーだ。鏡に「中の世界」なんか、あるわけないけど・・・手を入れてみたくはなるかもな」
:でもお兄ちゃん、手を掴んでくれなかったじゃない?
「え?」
:どうして・・・私を引きずり出してくれなかったの? 割れた鏡の破片が腕に刺さって、痛かったからなんて事は・・・ないわよね?
「わ・・・血が・・・腕から血が・・・!!!」
ルナ:ねえ・・・トム?
「うわああああぁぁぁぁぁぁあっ!!!!!!!!!」
「はっ!?」
トム:うう・・・夢・・・か?
牛マント:大丈夫か、トム! 随分とうなされていたぞ・・・!
トム:その声は・・・チャーリー??
牛マント:無理もない・・・あれだけの事があったんだ。まずは落ち着くんだ・・・今、牛乳を持って来てやるからな。
トム:る・・・ルナ! そうだ・・・ルナはどうしたんだ!? あのあと、何か文字を読んだ覚えがあるが・・・何だったか・・・??
牛マント:ああ・・・その事については、後でゆっくりと話そう。それにしてもトム、なんて顔つきだ・・・そこの鏡を見てみろ。
トム:・・・鏡・・・??
トム:こ・・・これが、僕・・・!!??