見出し画像

夢をつかむ! 007_20240907

相手に逃げ道を残しておけ

久しぶりに実家の母と電話で話をした。
母の幼馴染のおじさんが80歳を超えてから奥さんと別れたという話を聞いた。
このおじさんには私も小さい時から大変お世話になった。
祖父を慕ってよく家に来ていたおじさんだ。

おじさんは、見合い結婚でずーっと奥さんが嫌いだったらしい。
ずっと心に想っていた人がいたらしいがその人との恋は実らず、80歳になるまでちゃんと家庭を築いてきた人だ。
なぜ80歳を過ぎてから別れて暮らすことになっちゃったのか、若年(50歳)の私にはまだまだ理解が辿り着けない境地である。

そんなおじさんは別れてしばらくしてから冷静になり始め、寂しくなってきたという(笑)
母のところに電話をかけてきては「寂しい」と愚痴るようになったようだ。

そんなおじさんに母が言ってやったという話を今日は書き留めておきたい。

「あんた、うちのおじいさんはな、『喧嘩した時は必ず相手に逃げ道を作っておけ』とよく言っとったもんだ」

たしかに私も祖父からその言葉を聞いた気がする。
祖父を始め(笑)、母も私も激情型で、喧嘩してカッとなると、相手にトドメを刺すまでやり込めるタイプである。
まだ若かった10代の私に「言動を慎みなさい」とよく注意してくれた。
「うぉんのすけ、どんなに腹がたっても相手に逃げ道を作りなさい。人は言葉一つで死んでしまうことがある。トドメを刺すような言葉を発してはいけない」
とよく言われたものだ。

私はもう駄目だ(相手に対して見込みがない)と思った瞬間、決定的な言葉を放つ癖がある。
母も75歳にしてまだまだといいつつ、おじさんをそう言って諭したらしい。

おじさんは奥さんに「二度と帰って来るな」と言ったらしい。

そんなおじさんに母は「そんなことを言う必要はなかった。あんたが後悔したときにその言葉(二度と帰って来るな)が足かせになる。本心でなくとも『気が変わったらいつでも帰ってこいよ』と逃げ道を作っておくべきだった。それが50年以上連れ添った奥さんに対する思いやりだ。なんぼ腹がたっても、二割嘘でもいい。優しい言葉で逃げ道を作ってやるのが、男だで」と言ったらしい。

どっちがどうして奥さんが家を出ていくことになったかは知らないが、出ていくものに対して「二度と帰って来るな」の心境はよく分かる。それをこらえて「いつでも帰ってこい」というのはなかなか言えないものだ。

その直後におじさんに言っても響かなかったであろう母の言葉は、今のおじさんには身に染みたらしく「おまえ、なかなか良いこというな」と素直に受け入れたらしい。

「これは私の言葉じゃない。おじいさんからの言葉だ。おじいさんがあんたのことを心配して、私を使って言わせてる言葉だ。覚悟して聴きなさい!」

おじさんの奥さんが帰って来ることはないかもしれないけれど、おじさんはいまはもしかして「帰ってきてもいいぞ」と思っているかもしれない。

そんな時間の流れを考えると、後悔先に立たずではあるが、「相手に逃げ道をつくっておく」のもあながち間違いではないのかもしれないな、と思ったのである。

この話を夫にすると、うんうんと深く頷いていた。「そんなの当たり前だよ」とも言った。戦わずして勝つ戦法の上手な夫らしい反応である。

夫はもし私が出ていくと言ってもきっと「いつでも帰ってこいよ」と言ってくれそうだ。ちょっと安心。
しかし、私が逆の立場でそれができるかと言えば、100%自信がない。


<1年前の”種まき日記”> 
昨日に引き続き、昔の話。我ながらお恥ずかしい。
それにしてもまたこの話を私は忘れていた。記憶に定着しない男、どんだけ興味がないんだか。本人が聞いたら怒るだろうな。「俺だってお前になんかこれっぽっちも興味がねぇよ」と言われそうだ・・・

<2年前の”つれづれ日記”> 
ブラックうぉんのすけへの憧れ。創作活動に対する意欲。
あーまたいつかインスタントフィクション作れるかな~
最近は気持ちに余裕がないせいか、全然アイデアがふってこない。


いいなと思ったら応援しよう!