「エシカル」がメインストリームのコトバになった日
"エシカル"という単語を知っている方は多いと思います。
ちなみにwikipediaでは
エシカル
「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞 ー Wikipediaより
と記載されています( 2019.3.1 現在 )
この言葉が意味する消費上の"意識"や"振る舞い"とは無縁な方にとっては、なかなか理解が難しい言葉だと思う。
逆に分かる人間の間では、自分の見識を演出するような使い方に終始し、本来の役割で使われてきたのかな?という疑問が僕の中にはあった。
そもそもこの言葉のもつ響きやオシャレさがそうしてきた感はあったものの、そろそろ新しい言葉でもなくなってきたし、多くの人がこの言葉の意味を素朴にとらえ消費が行われれば、社会はいくらか健康的になると思う。
そのためには、まるで特別なものとして佇まうために、この言葉を包み込んでいるような皮をぺりっとめくり、オシャレでも気取るでもなく、日常の会話にするっとこの言葉が登場するようなムードになったほうがいいと思う。
そんな中に登場したのが、このCMー
「earth music&ecology」の新しいCMだ。
タイトルは、「エシカルへ」
広瀬すずさん出演・是枝裕和さん監督である。
このCMを見て、そしてタイトルを見て、びっくりした。
しかも意味をブレずに捉え、ほんの少しの言葉で「エシカル」を正確に伝えている。
メジャーなタレントさんが出演しているCMでこの言葉を題材にしたところに意味があると思う。そのおかげでこの言葉は一気にメインストリームのコトバになった。
少なくともこのCMを見た人の中では言葉の持つ意味は統一され、共通の認識の中で会話することができるようになったと思う。この功績はとてつもなく大きいと感じる。
エシカルに。エシカルさ。エシカルな。
説明もなくこの言葉を使うための一つの大きなページを、このCMは「よいしょ」とめくってくれた気がした。
ただの一つのブランドイメージを伝え広告するためのCMだったかもしれないが、久しぶりに感動した作品だった。
心がふるえた。