メスティンカレー
今夜の晩ごはん、メスティンカレー。
先日メスティンでの炊飯に初挑戦し、自分史上最高にイカしたごはんが炊けたものの、「あれはきっとビギナーズ・ラックに違いない」という考えがつきまとって離れない。
いつか晴れ舞台(キャンプ場)でも成功させるために、己のメスティン炊飯成功打率を把握しておく必要があると思い、今週末も再びメスティンごはんを炊いてみた。
なんと今回もちゃんと炊けてる……!
今週こそ、前回念のため用意しておいたトマトソース(炊きそこねたらリゾットに加工するつもりだった)の出番かと思っていたのに。ひょっとして自分が考えていたよりも、メスティンごはんというのは簡単にできるものなのかもしれない。
さて、無事ふっくらと自分好みの固さに炊きあがった白米さまに
今回はカレーをご招待。ちなみにこのカレーは近所に住む弟がおすそわけしてくれたもの。春に3歳になるちびっこがいる一家なので、味はちょいと甘口寄り。でも激甘ではなくちょうどいい甘さで、昔母が作ってくれたカレーの味によく似ている。具は玉ねぎににんじん、なす、そして鶏肉。具がごろごろと大きめなのが弟カレーの特徴で、「小さいと食べた気がしないし、そもそも小さく切るのめんどい」からだそう。具のごろごろ加減もずぼら加減もやっぱり母カレーに似ている。ちなみにちびっこに食べさせる時はお皿の上で具を細かく切ってから与えているそうで、そういう手間は惜しまないのが面白い。
野菜の甘みが溶け込んだやさしい味わいのルー、大ぶりに切ったにんじんの歯触り、しっとりとやわらかな鶏肉。合間にパリポリと食べる福神漬け。お店で食べるスパイスの効いた本格カレーも大好きだけど、あーカレー食べたいなーと思う時に浮かぶのは、こんなおうちカレー。子供の頃、晩ごはんがカレーと分かるとたまらなくうれしかったが、いい年になった今もそれは変わらない。
個人的にカレーには赤ワインが合うと信じている。カレーだけよそってつまみに食べるのも大好き。
母が早くに病気で要介護になったため、私も2人の弟たちも一緒に台所に立って料理を教わったことはない。母の味を懐かしんで再現を試みることもあるが、どうも自分にはそういうセンスが欠落しているらしく、思い通りの味になったためしがない。ずぼらっぷりは教わらなくても自然と身についてしまったというのに……
対照的に弟にはそういう、食べた味を再現するセンスがあるようだ。弟の作る料理をいただくと、不意に懐かしさに襲われて胸が詰まる。これお母さんの味だなあ、私もこんな風に作れたらいいのにな……としんみりしながらもりもり食べる。今日もそんな夜のひとときを過ごした。ごちそうさまでした。
食べ終わってから弟にお礼のLINEを送った。
「今回も安定のお母さんカレーでおいしかったよ!ありがとう。次はお母さんコロッケよろしく頼むわ」
9年前に逝った母は、空の上でそんなやりとりに呆れて笑っているかもしれない。